月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

神無月

十月・神無月の暦

神無月(かんなづき/かみなづき)

旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは、日本中の神様が
縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。
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この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)
神有月/神在月(かみありづき)、醸成月(かみなんづき)
神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)
初冬(しょとう)、早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)
新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)
立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)
小六月(ころくがつ)、小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき)
小陽春(しょうしょうしゅん)、時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)
御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、陽月(ようげつ)
極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など
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「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。
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10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

十月の別名で一番有名なのが神無月です。
一般には、日本全国の神様が毎年10月に出雲国に集まるので
神様が留守になるから「神無月」で、出雲国だけが「神在月」といわれていますが
神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。
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秋の深まりを感じる爽やかな季節。
四季のうつろいが美しい日本では季節ごとに楽しむ習慣やならわしがあります。
あらためて楽しむことで毎日を丁寧に暮らすことの意味が見えてきます。 

お米や野菜・果物の多くが実りの時期を迎える10月。
カラッと晴れる日が多い一方、一雨ごとに気温が下がると感じられることから
一雨一度ともいわれる時期でもあります。

■一雨一度(ひとあめいちど)
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。
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●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を、十月一日から練衣を、それぞれ着用すると定められていました。
その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは
「神輿振り」と言い、神の霊力をまき散らす動作と言われています。
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■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。
 
■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

●紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。
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●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。
どれも深まる秋の寒さを表しています。  

◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 
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520613f9.jpg22023年の中秋の名月は9月29日
「中秋の名月」とは太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。
2023年の中秋の名月の日(十五夜)は9月29日で満月と同じ日付になります。

「2023年10月27日 十三夜(後の月)」
旧暦の9月13日の夜(十三夜)に見える月を「後(のち)の月」と呼び
2023年は10月27日がその日にあたります。

旧暦8月15日の「中秋の名月(十五夜の月)」を眺める風習は
中国から伝わったものですが、十三夜の月を愛でる風習は日本で生まれたものです。
これは、延喜十九年(919年)に寛平法皇が月見の宴を開き
十三夜の月を称賛したことが由来のひとつとされています。

里芋をお供えすることから「芋名月」と呼ばれる中秋の名月に対し
後の月ではこの頃に収穫される栗や枝豆をお供えすることから
「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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片月見の禁忌は遊里の営業戦略? 
江戸では片月見は「片付見」に通じるとして忌まれたとか。
中秋の月見を自宅以外で眺めると、片月見とならないように
後の月見も中秋の月見をした場所に出かけていって眺めないといけない。
この慣習は江戸の遊里、吉原の客寄せの一環として生まれたという説があります。
中秋の名月の日を吉原で遊べば、片月見を避けるためには
必然的に後の月の日も登楼しなければならないようになると言うわけです。

これだけが本当に片月見の禁忌の原因かは疑わしいところもありますが
その影響もきっとあったろうとは考えられます。
吉原ではどちらの月見の日も「紋日」という特別な日とされ
客達はいつも以上に気前のよいところを見せるために散財したとか。
そのためでしょうか…

月宮殿へ二度のぼるいたい事 
といういう川柳も残っています。ちなみに「月宮殿」は吉原の別名。
見栄を張る客達の懐は大分「痛い事」がよくわかります。
十五夜の日に月見を楽しめるのがベストですが
天候によってはかなわないこともあるでしょう。
もともと十五夜は雨の日が多いといわれます。
そんなときは、十三夜や十日夜に月見をしませんか?
十三夜の月 
2023年 10/27  
2024年 10/15  
2025年 11/2  
2026年 10/23

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520613f9.jpg2月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

『月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月』(詠み人しらず)
この歌は、もともと中秋の名月(陰暦の八月十五日)に
宮中で女官たちによって唄われたもので
歌の作者は不詳ですが、昔は芋に箸で穴を開け
その穴から月を覗いてこの歌を詠まれるしきたりがあったそうです。
「月見る月」といえばやはりこの季節
旧暦8月(新暦の9月~10月ごろ)に勝るものはないでしょう。

その日の天候が悪くて十五夜が見れない場合にも
ユニークな名月の呼び名があります。
曇りでよく見えないときは「中秋無月(ちゅうしゅうむげつ)」と呼び
雨天で全く見えないときは、「雨月(うげつ)」
あるいは「雨名月(あめめいげつ)」と呼んで
中秋の名月の呼び名を変えて行事を行なっていたようです。

旧暦9月13日の夜に十三夜というお月見があります。
この十三夜は、十五夜とセットでお祝いすることが良しとされており
どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」などとして
忌むこととされていました。

十五夜は中国をはじめとする台湾や韓国などでも見られますが
この十三夜は日本だけのものなんだとか。
十三夜の別名は「栗名月」「豆名月」で
こちらは栗や枝豆が旬のためお供物にされるからなのです。
ちなみに、十三夜のお月見を最初に行ったのは
平安時代の後醍醐天皇だという説があります。

中秋の名月の月日
2023年の十五夜:9月29日(金)
2024年の十五夜:9月17日(火)
2025年の十五夜:10月6日(月)

十日夜(とおかんや)とは
十日夜は東日本を中心に行われている収穫祭です。
稲の収穫を祝って餅つきをしたり、稲の茎をたばねた「わらづと」や
「わら鉄砲」で地面の神を励まして作物に悪さをするモグラを追い払うなど
地方によって内容はさまざまです。
2023年11月22日(水)
2024年11月10日(日)
2025年11月29日(土)

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神を宿すすすきと月の象徴としてお月見団子や里芋
栗や柿に芋などを備え
秋の収穫に感謝の祈りを捧げる十五夜の日と重なり
実りのエネルギーがいつもより充満した満月。

元来「お月見」は、月は満ちては欠け、欠けては満ちを繰り返すことから
「ものごとの結果に感謝するお祝い」として
また月からは生命を連想されることから
「祖先の霊を偲ぶ」といった意味合いをもち
ひいては、ここから「収穫を祝う」日となっていったといわれます。
十五夜はあまりすっきりしない夜空であることが多いのに対し
十三夜の夜は晴れることが多いようで
「十三夜に曇り無し」という言葉もあります。

月見をただのイベントと捉えず
自然環境の力で、美味しい農作物などの食物を
食べさせてもらっているという感謝の気持ちをお供え物にして
お月様に供えてみたら、おおらかで感謝の気持ちを忘れない
昔の日本人のあり様を思い出せるかもしれません。

暑気がひき、空気が澄みわたった秋の夜長。
すすきの穂が空をなでるころ、ひときわ美しさが冴えわたる「月」
あなたなら、秋宵の月をどう愛でますか? 
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秋の収穫を祝うお月見の室礼 ( しつらえ )
 
お月見の供え物は地方によってさまざまですが
一般に、月見団子のほか、里いも・柿・栗・豆などの収穫物、
すすき・萩・ききょうなどの秋の七草などを並べて月をまつっていました。
そこには、中国から伝わった風習に日本の秋の習慣が混じり合っています。
月見団子は、中国で供えられていた月餅
(くるみなどを入れた餡入りの焼き菓子)の代わりに供えられたもの。
江戸時代は、野球ボール程の大きな団子で、十五夜の名にちなんで
15個を三方に積み上げていたといわれます。

秋の七草の一つであるススキは、江戸時代は暮らしの中で
身近によく利用されていた資源であると同時に
霊力があるとされる植物でした。
また、供え物の中で特筆すべきは里いもの存在です。
折しも中秋の名月の頃は里いもの収穫期。里いもは日本人が
米を主食にする前まで、主食の座にあった食物です。
古くは収穫されたばかりの里いもを中秋の名月に供えたことから
地方によっては「芋名月」ともいわれるようになりました。
大陸から伝わった中秋の名月の風習は、わが国に以前からあった
秋の豊作を祈願する初穂祭りと結びつき
農耕行事としての意味合いも強まったわけです。

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一年の中で一番月の力が強まるとされる十五夜。
特に今年は十五夜に加えて、牡羊座の満月でもあります。
牡羊座は自分自身を大切にすることを教えてくれる星座。
ブランクタイムで自分の本質と向き合ってきた人は
ここでもさらに宿運の輝きが強調されるでしょう。

引き寄せ力が強まる十五夜、月のチカラが更に強まる満月。
自分の軸、願い、進みたい道を明確にして
前に進むあなたを力強く、背中を押してバックアップしてくれるでしょう。
願いの実現に向けて変化・変容の時。
クライマックスの波に乗って、満月の夜は最高の実りを受け取りたいですね。

あなたの上半期を見直し、満月の形のように完成された
自分自身の成果の収穫祭を意識的にしてみませんか。
目を瞑り、深い呼吸と共に。満月のパワーを取り込みましょう。
まずは、思い切り吐く息を意識をして、疲れやストレス
自分にとって不要な思いを手放す勢いで、息を吐き切ることが大切。
吐き出した後のスペースに、満月の豊かなエネルギーが
どんどん入ってきますように...*

十月(神無月)

■神無月(かんなづき / かみなづき)

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旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは
日本中の神様が縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。

神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。

この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)
神有月/神在月(かみありづき)、醸成月(かみなんづき)
神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)
初冬(しょとう)、早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)
新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)
立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)
小六月(ころくがつ)、小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき)
小陽春(しょうしょうしゅん)、時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)
御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、陽月(ようげつ)
極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など

「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

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「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

秋の深まりを感じる爽やかな季節。
四季のうつろいが美しい日本では
季節ごとに楽しむ習慣やならわしがあります。
あらためて楽しむことで毎日を丁寧に暮らすことの意味が見えてきます。 

お米や野菜・果物の多くが実りの時期を迎える10月。
カラッと晴れる日が多い一方、一雨ごとに気温が下がると感じられることから
一雨一度ともいわれる時期でもあります。

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■一雨一度(ひとあめいちど)
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を、十月一日から練衣を、それぞれ着用すると定められていました。
その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは
「神輿振り」と言い、神の霊力をまき散らす動作と言われています。

■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。

2
 
■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

●紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。

●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。どれも深まる秋の寒さを表しています。

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◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 

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十三夜(後(のち)の月)

お月見といえば旧暦8月15日(現代では9月中旬)の「十五夜」が有名ですが
「十三夜(じゅうさんや)」はご存知ですか?
十三夜は「十五夜」に次いで美しい月とされていて
栗や豆の収穫期に当たるため、「栗名月」「豆名月」と呼ばれることも。
十三夜は旧暦の9月13日で現代の暦では年ごとに異なり
2022年は10月8日(土)です。

十三夜(後の月)は、旧暦9月13日の月を眺める日本独自の風習です。

諸説ありますが、旧暦8月15日の「中秋の名月」を眺める風習
(十五夜)は中国から伝わったもので、日本では台風の時期に重なることが多いため
秋晴れとなることが多い旧暦9月に2回目のお月見を設定したものとされています。

里芋を供えることから「芋名月」と呼ばれる十五夜に対し
十三夜ではこの時季に収穫される栗や枝豆を供えることから
「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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片月見の禁忌は遊里の営業戦略? 

江戸では片月見は「片付見」に通じるとして忌まれたとか。
中秋の月見を自宅以外で眺めると、片月見とならないように
後の月見も中秋の月見をした場所に出かけていって眺めないといけない。

この慣習は江戸の遊里、吉原の客寄せの一環として生まれたという説があります。
中秋の名月の日を吉原で遊べば、片月見を避けるためには
必然的に後の月の日も登楼しなければならないようになると言うわけです。

これだけが本当に片月見の禁忌の原因かは疑わしいところもありますが
その影響もきっとあったろうとは考えられます。
吉原ではどちらの月見の日も「紋日」という特別な日とされ
客達はいつも以上に気前のよいところを見せるために散財したとか。
そのためでしょうか…

 月宮殿へ二度のぼるいたい事 

といういう川柳も残っています。ちなみに「月宮殿」は吉原の別名。
見栄を張る客達の懐は大分「痛い事」がよくわかります。

十五夜の日に月見を楽しめるのがベストですが
天候によってはかなわないこともあるでしょう。
もともと十五夜は雨の日が多いといわれます。
そんなときは、十三夜や十日夜に月見をしませんか?

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十三夜の月 
 
2022年 10/8  
2023年 10/27  
2024年 10/15  
2025年 11/2  
2026年 10/23

中秋の名月の月日

2022年の十五夜:9月10日(土)
2023年の十五夜:9月29日(金)
2024年の十五夜:9月17日(火)
2025年の十五夜:10月6日(月)

十日夜(とおかんや)とは
十日夜は東日本を中心に行われている収穫祭です。
稲の収穫を祝って餅つきをしたり、稲の茎をたばねた「わらづと」や
「わら鉄砲」で地面の神を励まして作物に悪さをするモグラを追い払うなど
地方によって内容はさまざまです。

2022年11月3日(祝)
2023年11月22日(水)
2024年11月10日(日)
2025年11月29日(土)

十月(神無月)

神無月(かんなづき/かみなづき)

旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは、日本中の神様が
縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。

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この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)
神有月/神在月(かみありづき)、醸成月(かみなんづき)
神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)
初冬(しょとう)、早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)
新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)
立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)
小六月(ころくがつ)、小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき)
小陽春(しょうしょうしゅん)、時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)
御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、陽月(ようげつ)
極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など

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「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

十月の別名で一番有名なのが神無月です。
一般には、日本全国の神様が毎年10月に出雲国に集まるので
神様が留守になるから「神無月」で、出雲国だけが「神在月」といわれていますが
神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。

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秋の深まりを感じる爽やかな季節。
四季のうつろいが美しい日本では季節ごとに楽しむ習慣やならわしがあります。
あらためて楽しむことで毎日を丁寧に暮らすことの意味が見えてきます。 

お米や野菜・果物の多くが実りの時期を迎える10月。
カラッと晴れる日が多い一方、一雨ごとに気温が下がると感じられることから
一雨一度ともいわれる時期でもあります。

■一雨一度(ひとあめいちど)
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

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●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を、十月一日から練衣を、それぞれ着用すると定められていました。
その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは
「神輿振り」と言い、神の霊力をまき散らす動作と言われています。

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■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。
 
■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

●紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。

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●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。
どれも深まる秋の寒さを表しています。  

◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 

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2021/10/18 十三夜(後(のち)の月)

十三夜(後の月)は、旧暦9月13日の月を眺める日本独自の風習です。
2021年は10月18日がその日にあたります。 

諸説ありますが、旧暦8月15日の「中秋の名月」を眺める風習
(十五夜)は中国から伝わったもので、日本では台風の時期に重なることが多いため
秋晴れとなることが多い旧暦9月に2回目のお月見を設定したものとされています。

里芋を供えることから「芋名月」と呼ばれる十五夜に対し
十三夜ではこの時季に収穫される栗や枝豆を供えることから
「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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片月見の禁忌は遊里の営業戦略? 
江戸では片月見は「片付見」に通じるとして忌まれたとか。
中秋の月見を自宅以外で眺めると、片月見とならないように
後の月見も中秋の月見をした場所に出かけていって眺めないといけない。
この慣習は江戸の遊里、吉原の客寄せの一環として生まれたという説があります。
中秋の名月の日を吉原で遊べば、片月見を避けるためには
必然的に後の月の日も登楼しなければならないようになると言うわけです。

これだけが本当に片月見の禁忌の原因かは疑わしいところもありますが
その影響もきっとあったろうとは考えられます。
吉原ではどちらの月見の日も「紋日」という特別な日とされ
客達はいつも以上に気前のよいところを見せるために散財したとか。
そのためでしょうか…

 月宮殿へ二度のぼるいたい事 

といういう川柳も残っています。ちなみに「月宮殿」は吉原の別名。
見栄を張る客達の懐は大分「痛い事」がよくわかります。

aflo_ahra002079

十五夜の日に月見を楽しめるのがベストですが
天候によってはかなわないこともあるでしょう。
もともと十五夜は雨の日が多いといわれます。
そんなときは、十三夜や十日夜に月見をしませんか?

十三夜の月 
2021年 10/18  
2022年 10/8  
2023年 10/27  
2024年 10/15  
2025年 11/2  
2026年 10/23

中秋の名月の月日
2021年の十五夜:9月21日(火)
2022年の十五夜:9月10日(土)
2023年の十五夜:9月29日(金)
2024年の十五夜:9月17日(火)
2025年の十五夜:10月6日(月)

十日夜(とおかんや)とは
十日夜は東日本を中心に行われている収穫祭です。
稲の収穫を祝って餅つきをしたり、稲の茎をたばねた「わらづと」や
「わら鉄砲」で地面の神を励まして作物に悪さをするモグラを追い払うなど
地方によって内容はさまざまです。

2021年11月14日(日)
2022年11月3日(祝)
2023年11月22日(水)
2024年11月10日(日)
2025年11月29日(土)

十月 神無月 (かんなづき / かみなづき)

「神無月」

「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

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一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

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吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

「神無月」と「神在月」について 
■神さまが無い月と書いて「神無月(かんなづき)」
■神さまが在る月と書いて「神在月(かみありつき)」

全く正反対の意味ですが、これは全国の八百万(やおよろず)の神様が
一部の *留守神様* を残して出雲大社(島根県出雲市)へ
会議に出掛けてしまうことに由来します。
「10月は神在月」という人は出雲地方出身の方かもしれません。

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肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。
どれも深まる秋の寒さを表しています。

秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

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◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
野原薊(のはらあざみ) /富士薊(ふじあざみ) /杜鵑草(ほととぎす)  
藪蘭(やぶらん) /鶏頭(けいとう) / 野紺菊(のこんぎく)
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 

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霜始めて降る
晩秋とは寒露(10月9日頃)から立秋の前日(11月6日頃)までをいう。

霜降(そうこう)』10月23日頃。
および立冬までの期間。太陽黄径210度。寒露から数えて15日目頃。

露が霜となって降り始める頃ということで霜降とよばれます。
秋が一段と深まり、朝霜が見られる頃。
朝晩の冷え込みが厳しくなり、日が短くなったことを実感できます。
初霜の知らせが聞かれるのも大体この頃で、山は紅葉で彩られます。 
霜降は立冬のひとつ前、秋最後の節気です。 
これからが紅葉の見ごろ。

コートや暖房器具の準備など、この頃から冬支度を始めます。
読書や編み物をしたりして、秋の夜長を楽しむのもいいですね。

暦の上では立秋(8月8日頃)から始まった秋も、立冬(11月7日頃)でひと区切り。
草木を湿らせた露は霜に変わり、山々は紅葉。
晩秋のなかにも確実な冬の訪れが感じられます。

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■神無月(カンナヅキ)
旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは、日本中の神様が
縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。

この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)、神有月/神在月(かみありづき)、
醸成月(かみなんづき)、神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)、
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)、初冬(しょとう)、
早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)、新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、
建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)、立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、
初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)、小六月(ころくがつ)、
小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき) 、小陽春(しょうしょうしゅん)、
時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)、御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、
陽月(ようげつ)、極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)、
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など

十月の別名で一番有名なのが神無月です。
一般には、日本全国の神様が毎年10月に出雲国に集まるので
神様が留守になるから「神無月」で、出雲国だけが「神在月」といわれていますが
神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。

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今月の二十四節気と雑説

八日—寒露(かんろ)
二十日—土用(冬の土用)
二十三日—霜降(そうこう)

■一雨一度
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
 ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。    
       
■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。

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■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る、草木を眺めるという意味があるそうです。

紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。

衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

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【寒露(かんろ/10月8日)】
二十四節気の一つで10月8日ごろ。
この日から霜降までの期間。
朝露を踏むと一段と冷たくなり、秋の深まりゆく季節。
太陽黄経が195度のときで、露が冷気によって凍りそうになる頃。

「寒露(カンロ)」とは、野の草に宿る露のことを言いますが
1年を24に区分した古い中国の暦法、「二十四節気」では
秋分から15日目を「寒露」と言います。10月8、9日頃にあたりますが
秋の長雨が終わるこの頃、野山では木の葉が色づき始めます。
穀物の収穫が一番忙しい時期です。

【霜降(そうこう/10月23日)】
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。この日から立冬までの間に吹く
寒い北風を木枯らしと呼びます。

【ハロウィン(10月31日)】
ハロウィンはカトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩に行われる
英語圏の伝統行事。
諸聖人の日の旧称All Hallowsのeve(前夜祭)であることから
halloweenと呼ばれるようになりました。
ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされています。
ケルト人の一年の終わりは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり
精霊や魔女が出てくると信じられていました。
これから身を守るために仮面を被り、魔よけの焚き火を焚いていました。
蕪(かぶ)をくりぬいた中にロウソクをたて「ジャック・オー・ランタン」
(お化け蕪・イギリスやアイルランドでは蕪を使いましたが
移民の多いアメリカでは刻みやすいカボチャを利用するようになりました)
を作り魔女やお化けに仮装した子供たちが「トリック・オア・トリート」
(Trick or treatお菓子をくれないと、いたずらするぞ)と唱えて
近くの家を1軒ずつ訪ねます。
家庭では蕪のお菓子を作り、子供達は貰ったお菓子を持ち寄り
ハロウィン・パーティを開いたりします。

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■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは、「神輿振り」と言い、
神の霊力をまき散らす動作と言われています。  
       
■半被(ハッピ)とはち巻き
祭りの時に着る「半被(ハッピ)」は、もともと印半天(シルシバンテン)という
職人の仕事着です。背中に描かれた大きな紋で
どこの神社の祭りかがわかり、そろいの半被を着ることで
祭りの一体感が高まります。また、はち巻きを頭に結ぶのは
神聖な神輿を担ぐ際に不浄な頭を隠すためだそうです。
 
■神嘗祭(カンナメサイ)
10月15~17日、伊勢神宮では「神嘗祭(カンナメサイ)」が行なわれます。
これは、その年に採れた新米を神様に捧げて感謝するもので、
伊勢神宮の年間千数百回もある祭儀の中で、最も重要な祭りとされています。
「神々の正月は神嘗祭」とも言われ、伊勢神宮では神嘗祭の時に
祭り器具などをできる限り新調するそうです。

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2020年の中秋の名月は10月1日です。月齢は14.7。
満月は10月2日の午前6時なので、少し手前といったところですが
ほぼ丸く見えるのではないかと思います。
お住まいの地域のお天気はどうでしょうか。

中秋の名月は、旧暦8月15日、十五夜の月のことで
太陽暦では毎年異なり9月上旬から10月上旬の間となります。
夏の作物の収穫を終え、農耕の祈り目にあたる時期です。

月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

『月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月』(詠み人しらず)
この歌は、もともと中秋の名月(陰暦の八月十五日)に
宮中で女官たちによって唄われたもので
歌の作者は不詳ですが、昔は芋に箸で穴を開け
その穴から月を覗いてこの歌を詠まれるしきたりがあったそうです。
「月見る月」といえばやはりこの季節
旧暦8月(新暦の9月~10月ごろ)に勝るものはないでしょう。

その日の天候が悪くて十五夜が見れない場合にも
ユニークな名月の呼び名があります。
曇りでよく見えないときは「中秋無月(ちゅうしゅうむげつ)」と呼び
雨天で全く見えないときは、「雨月(うげつ)」
あるいは「雨名月(あめめいげつ)」と呼んで
中秋の名月の呼び名を変えて行事を行なっていたようです。

旧暦9月13日の夜に十三夜というお月見があります。
2020年の十三夜は10月29日です。
この十三夜は、十五夜とセットでお祝いすることが良しとされており
どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」などとして
忌むこととされていました。

十五夜は中国をはじめとする台湾や韓国などでも見られますが
この十三夜は日本だけのものなんだとか。
十三夜の別名は「栗名月」「豆名月」で
こちらは栗や枝豆が旬のためお供物にされるからなのです。

ちなみに、十三夜のお月見を最初に行ったのは
平安時代の後醍醐天皇だという説があります。

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秋の収穫を祝うお月見の室礼 ( しつらえ )
 
お月見の供え物は地方によってさまざまですが
一般に、月見団子のほか、里いも・柿・栗・豆などの収穫物、
すすき・萩・ききょうなどの秋の七草などを並べて月をまつっていました。
そこには、中国から伝わった風習に日本の秋の習慣が混じり合っています。
月見団子は、中国で供えられていた月餅
(くるみなどを入れた餡入りの焼き菓子)の代わりに供えられたもの。
江戸時代は、野球ボール程の大きな団子で、十五夜の名にちなんで
15個を三方に積み上げていたといわれます。

秋の七草の一つであるススキは、江戸時代は暮らしの中で
身近によく利用されていた資源であると同時に
霊力があるとされる植物でした。
また、供え物の中で特筆すべきは里いもの存在です。
折しも中秋の名月の頃は里いもの収穫期。里いもは日本人が
米を主食にする前まで、主食の座にあった食物です。
古くは収穫されたばかりの里いもを中秋の名月に供えたことから
地方によっては「芋名月」ともいわれるようになりました。
大陸から伝わった中秋の名月の風習は、わが国に以前からあった
秋の豊作を祈願する初穂祭りと結びつき
農耕行事としての意味合いも強まったわけです。

十月 神無月

「神無月」
語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。

醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

●別称
神在月(かみありづき)【出雲地方】/雷無月(かみなかりづき)
時雨月(しぐれづき)/鎮祭月(ちんさいげつ)/小春(こはる)
吉月(きちげつ)/初霜月(はつしもづき)/神有月(かみありづき)

季節 : 晩秋(ばんしゅう) ※寒露から立冬の前日まで。

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一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれどそれも根拠がない。
そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

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また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

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「神無月」と「神在月」について 
■神さまが無い月と書いて「神無月(かんなづき)」
■神さまが在る月と書いて「神在月(かみありつき)」

全く正反対の意味ですが、これは全国の八百万(やおよろず)の神様が
一部の *留守神様* を残して出雲大社(島根県出雲市)へ
会議に出掛けてしまうことに由来します。
「10月は神在月」という人は出雲地方出身の方かもしれません。

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二十四節気よりも5日おきに細かく
日本の気候にあてはまるように分けているのが七十二候です。

鴻雁来(こうがんきたる):雁(ガン)が飛来し始める[10月8日~12日頃]
菊花開(きくのはなひらく):菊の花が咲く[10月13日~17日頃]
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり):キリギリスが戸の辺りで鳴く
[10月18日~22日頃]

■一雨一度
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

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●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

二十四節気の一つ「寒露」とは、秋が深まり紅葉も色が濃くなり
朝露が冷たい頃を言います。
丁度、北国のナナカマドが真っ赤な実をつける頃です。
朝晩の露の冷たさに身が引き締まります。
雁などの渡り鳥が北から渡ってくるのもこの時期です。
その年に初めて到来する雁のことを「初雁(はつかり)」と言います。

寒露の時期(10/8~10/22頃まで)に手紙を出す時は
時候の挨拶を寒露の候で始めることができます。
寒露の候とは、次の二十四節気「霜降」の前日まで使えます。
使用例は「寒露の候」「寒露の折から」「寒露の砌(みぎり)」など。

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●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

霜降とは、寒露の次の二十四節気です。読み方は「そうこう」。
寒露の次に霜降となるので、露が凍って霜になると覚えましょう。
霜は、冷たい空気によって大気中の水分が結晶化し、草木の表面や
地面が白くなる現象のことを言います。
地表の温度が0度以下になると霜が降りやすくなります。
山里に霜が降りるそんな時期が「霜降」です。
朝晩の冷え込みが一層厳しくなり、朝昼との寒暖の差ができ
紅葉が鮮やかになっていきます。
霜と言えば霜柱を思い浮かべる方もいるかと思いますが
霜降の「霜」とはまた別の意味になります。

霜降の時期に手紙を出したりするときは、以下の事項の挨拶が使えます。

霜降の候 霜降の砌(みぎり)
また似た表現として「初霜の候」も使えますが
どちらかと言うと11月ごろに使われます。
なぜ11月かと言うと
11月は別名「霜降月(しもふりつき)」という陰暦の別称です。

その他「霜月」とも言います。霜=11月を指す言葉が多いのが特徴です。

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●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を十月一日から練衣を
それぞれ着用すると定められていました。

その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

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夏に着ていた薄手の物を片付け、しまい込んでいた
秋冬の厚手の物と入れ替えをします。

薄手の夏物は洗濯とクリーニングを済ませた後に用途別に分けてからしまうと、
来年の衣替えの際に取り出しやすいと思います。
その時に中身を書いたラベルを用意しておくと、さらに便利です。
また、洋服と一緒に香りの良い石鹸(せっけん)や使い切ったあとの香水
コロンの空き瓶を入れるのも洋服をいい香りに保つために良いと思います。

 
入れ替えで出した厚手の物ですが、前の衣替えから半年は

ぎゅうぎゅう詰めでタンスの中に眠っていたと思います。
各々を丁寧に取り出し、ハンガーに下げ、空気を通してください。
シワを伸ばしたり、アイロンがけをしておくと使うときに慌てなくて済みます。
衣替えの時は天気予報をしっかりと確認し
できるだけ好天続きの日を選んでください。


●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。どれも深まる秋の寒さを表しています。
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●紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

紅葉狩りとは、桜が「お花見」や「桜狩り」と言うように
紅葉も「狩る」を使って紅葉狩りと呼ぶようになりました。
これは鳥や獣を追って捕獲する「狩り」という言葉が
「ブドウ狩り」などの果物を採ったり、草木花を観賞すことでも
使われるようになったからです。

紅葉は昼は温かくて、夜から朝にかけて
急激な冷え込みがあった寒暖の差が激しい時に綺麗に色づきます。
時期は10月~11月(10月~12月)と長い期間行われます。
特に冬が寒い地方が10月初旬から楽しめます。

紅葉する葉には種類があります。紅葉するのは主に落葉樹です。
楓や欅(けやき)、銀杏(いちょう)、桜などの
葉が落ちる木に限定されています。
1年を通じて葉が落下しない
杉や松などは常緑樹と呼ばれ、紅葉することはありません。


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●紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。

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ハロウィン(10月31日)
ハロウィンはカトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩に行われる
英語圏の伝統行事。
諸聖人の日の旧称All Hallowsのeve(前夜祭)であることから
halloweenと呼ばれるようになりました。
ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされています。
ケルト人の一年の終わりは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり
精霊や魔女が出てくると信じられていました。
これから身を守るために仮面を被り、魔よけの焚き火を焚いていました。
蕪(かぶ)をくりぬいた中にロウソクをたて「ジャック・オー・ランタン」
(お化け蕪・イギリスやアイルランドでは蕪を使いましたが
移民の多いアメリカでは刻みやすいカボチャを利用するようになりました)
を作り魔女やお化けに仮装した子供たちが
「トリック・オア・トリート」
(Trick or treatお菓子をくれないと、いたずらするぞ)と唱えて
近くの家を1軒ずつ訪ねます。
家庭では蕪のお菓子を作り、子供達は貰ったお菓子を持ち寄り
ハロウィン・パーティを開いたりします。

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◆10月の暮らし
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち

◆10月の花  
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ)
 
◆旬の食材
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)
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◆時候の挨拶

秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました

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秋祭りの覚え書き
         
■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは
「神輿振り」と言い、
神の霊力をまき散らす動作と言われています。  
       
■半被(ハッピ)とはち巻き
祭りの時に着る「半被(ハッピ)」は、もともと印半天(シルシバンテン)という
職人の仕事着です。背中に描かれた大きな紋で
どこの神社の祭りかがわかり、そろいの半被を着ることで
祭りの一体感が高まります。また、はち巻きを頭に結ぶのは
神聖な神輿を担ぐ際に不浄な頭を隠すためだそうです。
 
■神嘗祭(カンナメサイ)
10月15~17日、伊勢神宮では「神嘗祭(カンナメサイ)」が行なわれます。
これは、その年に採れた新米を神様に捧げて感謝するもので、
伊勢神宮の年間千数百回もある祭儀の中で、最も重要な祭りとされています。
「神々の正月は神嘗祭」とも言われ、伊勢神宮では神嘗祭の時に
祭り器具などをできる限り新調するそうです。

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十月 神無月(かんなづき/かみなづき)

神無月

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「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。
そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

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吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

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「神無月」と「神在月」について 
■神さまが無い月と書いて「神無月(かんなづき)」
■神さまが在る月と書いて「神在月(かみありつき)」

全く正反対の意味ですが、これは全国の八百万(やおよろず)の神様が
一部の *留守神様* を残して出雲大社(島根県出雲市)へ
会議に出掛けてしまうことに由来します。
「10月は神在月」という人は出雲地方出身の方かもしれません。

神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)、神有月/神在月(かみありづき)
醸成月(かみなんづき)、神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)、初冬(しょとう)
早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)、新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)
建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)、立冬(りっとう)、霜先(しもさき)
初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)、小六月(ころくがつ)
小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき) 、小陽春(しょうしょうしゅん)
時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)、御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)
陽月(ようげつ)、極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など

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【寒露(かんろ/10月8日)】
二十四節気の一つで10月8日ごろ。
この日から霜降までの期間。
朝露を踏むと一段と冷たくなり、秋の深まりゆく季節。
太陽黄経が195度のときで、露が冷気によって凍りそうになる頃。

「寒露(カンロ)」とは、野の草に宿る露のことを言いますが
1年を24に区分した古い中国の暦法、「二十四節気」では
秋分から15日目を「寒露」と言います。10月8、9日頃にあたりますが
秋の長雨が終わるこの頃、野山では木の葉が色づき始めます。
穀物の収穫が一番忙しい時期です。

【霜降(そうこう/10月23日)】
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。この日から立冬までの間に吹く
寒い北風を木枯らしと呼びます。

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【ハロウィン(10月31日)】
ハロウィンはカトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩に行われる
英語圏の伝統行事。
諸聖人の日の旧称All Hallowsのeve(前夜祭)であることから
halloweenと呼ばれるようになりました。
ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされています。
ケルト人の一年の終わりは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり
精霊や魔女が出てくると信じられていました。
これから身を守るために仮面を被り、魔よけの焚き火を焚いていました。
蕪(かぶ)をくりぬいた中にロウソクをたて「ジャック・オー・ランタン」
(お化け蕪・イギリスやアイルランドでは蕪を使いましたが
移民の多いアメリカでは刻みやすいカボチャを利用するようになりました)
を作り魔女やお化けに仮装した子供たちが
「トリック・オア・トリート」
(Trick or treat お菓子をくれないといたずらするぞ)と唱えて
近くの家を1軒ずつ訪ねます。
家庭では蕪のお菓子を作り、子供達は貰ったお菓子を持ち寄り
ハロウィン・パーティを開いたりします。

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■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは、「神輿振り」と言い、
神の霊力をまき散らす動作と言われています。  

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■半被(ハッピ)とはち巻き
祭りの時に着る「半被(ハッピ)」は、もともと印半天(シルシバンテン)という
職人の仕事着です。背中に描かれた大きな紋で
どこの神社の祭りかがわかり、そろいの半被を着ることで
祭りの一体感が高まります。また、はち巻きを頭に結ぶのは
神聖な神輿を担ぐ際に不浄な頭を隠すためだそうです。
 
■神嘗祭(カンナメサイ)
10月15~17日、伊勢神宮では「神嘗祭(カンナメサイ)」が行なわれます。
これは、その年に採れた新米を神様に捧げて感謝するもので、
伊勢神宮の年間千数百回もある祭儀の中で、最も重要な祭りとされています。
「神々の正月は神嘗祭」とも言われ、伊勢神宮では神嘗祭の時に
祭り器具などをできる限り新調するそうです。

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今月の草木花
コスモス 野原薊(のはらあざみ) 富士薊(ふじあざみ) 杜鵑草(ほととぎす)  
藪蘭(やぶらん) 鶏頭(けいとう) 金木犀(きんもくせい)  野紺菊(のこんぎく)

■一雨一度
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
 ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。    
       
■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。

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■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。

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秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。
どれも深まる秋の寒さを表しています。

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◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 

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十月(神無月)

■神無月(カンナヅキ)

旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは、日本中の神様が
縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。

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この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

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神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)
神有月/神在月(かみありづき)、醸成月(かみなんづき)
神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)
初冬(しょとう)、早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)
新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)
立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)
小六月(ころくがつ)、小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき)
小陽春(しょうしょうしゅん)、時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)
御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、陽月(ようげつ)
極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など

十月の別名で一番有名なのが神無月です。
一般には、日本全国の神様が毎年10月に出雲国に集まるので
神様が留守になるから「神無月」で、出雲国だけが「神在月」といわれていますが
神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。

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秋の深まりを感じる爽やかな季節。
四季のうつろいが美しい日本では
季節ごとに楽しむ習慣やならわしがあります。
あらためて楽しむことで毎日を丁寧に暮らすことの意味が見えてきます。 

お米や野菜・果物の多くが実りの時期を迎える10月。
カラッと晴れる日が多い一方、一雨ごとに気温が下がると感じられることから
一雨一度ともいわれる時期でもあります。

■一雨一度(ひとあめいちど)
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

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●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。

●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を、十月一日から練衣を、それぞれ着用すると定められていました。
その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

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◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 

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2017年10月4日は十五夜(中秋の名月)です。

中秋の名月は、旧暦8月15日、十五夜の月のことで
太陽暦では毎年異なり9月上旬から10月上旬の間となります。
夏の作物の収穫を終え、農耕の祈り目にあたる時期です。

月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

『月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月』(詠み人しらず)
この歌は、もともと中秋の名月(陰暦の八月十五日)に
宮中で女官たちによって唄われたもので
歌の作者は不詳ですが、昔は芋に箸で穴を開け
その穴から月を覗いてこの歌を詠まれるしきたりがあったそうです。
「月見る月」といえばやはりこの季節
旧暦8月(新暦の9月~10月ごろ)に勝るものはないでしょう。

その日の天候が悪くて十五夜が見れない場合にも
ユニークな名月の呼び名があります。
曇りでよく見えないときは「中秋無月(ちゅうしゅうむげつ)」と呼び
雨天で全く見えないときは、「雨月(うげつ)」
あるいは「雨名月(あめめいげつ)」と呼んで
中秋の名月の呼び名を変えて行事を行なっていたようです。

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