月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

彩々な色

伝統色「梅」

日本の伝統色 『梅』

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日本には、固有の伝統的な色の名前が数多くあります。
どの色も、名前をきくだけで不思議とイメージが浮かんできます。
それらの名前にはその色をあらわすために、身近にある
「草木」「染料」「生物」などの名が使われました。

草木・・・桃色(ももいろ) 小豆色(あずきいろ) 菫色す(みれいろ)
染料・・・藍色(あいいろ) 梔子色(くちなしいろ)
生物・・・朱鷺色(ときいろ)鶯色(うぐいすいろ) 雀色(すずめいろ)

美しさの微妙な違いを的確にとらえ楽しむ
日本人の繊細な感覚を、それらの名前から知ることができます。
昔から人々に愛されてきた「梅」も
さまざまな伝統色の名前に使われています。

紅梅色 こうばいいろ
koubai.png
英名・Rose Pink(ローズピンク)バラの花の淡紅色
http://www.colordic.org/colorsample/2025.html

色味・・紅梅の花色に似て、かすかに紫味を含む淡い紅色。
名・・・紅梅の花の色をあらわした名前。
染料・・淡い藍の下染めに、紅花を上掛けした。

王朝の詩歌や物語に多く見られる「紅梅色」。
平安時代、紅梅色は早春(11~2月)の着物の色として愛好され
その服色は平安文学にしばしばあらわれます

紅梅色は、紅染の濃さによって、濃紅梅・中紅梅・淡紅梅の三級に分けられます。

・濃紅梅
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平安時代、「濃紅梅」は「今様色(いまよういろ)」と呼ばれました。
「今様」とは「今、流行り」と言う意味で、当時の流行色のひとつだったようです。

・中紅梅
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文献に、単に「紅梅」とある場合は、中紅梅を指します。
これは、紅梅の花の色にあたります。

・淡紅梅
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薄紅梅(花色が薄い紅梅)の花の色。

梅鼠 うめねずみ
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英名・Rose Dust(ローズダスト)ほこりっぽい薄バラ色
http://www.colordic.org/colorsample/2022.html

色味・・赤みがかったうすい鼠色。
名・・・梅鼠の[梅]は、梅屋渋の染に見るような赤みの形容語。
染料・・梅屋渋(梅木の煎汁に榛皮の煎汁を加えたもの)に
灰汁・明礬・石灰・鉄漿を用いれば、微妙な赤みの鼠を得ることができる。

幕府による奢侈(しゃし)禁止令により、派手な衣服が制限されていた江戸時代。
庶民たちは、厳しく制約された暮らしの中で
自分の個性を精一杯表現しようとしました。
鼠色(ねずみいろ)や茶色に、微妙な色調の変化をつけ
奥ゆかしい色合いを楽しむのが、当時の庶民たちにとって
「粋(いき)」とされたのです。
こうして梅鼠など「四十八茶百鼠」といわれる
多くの渋味の色が、江戸時代を彩りました。
※「四十八茶百鼠」・・・ 茶色には48種類、鼠色には100種もの色があるという意味。

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伝統色「梅」

日本の伝統色 『梅』

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日本には、固有の伝統的な色の名前が数多くあります。
どの色も、名前をきくだけで不思議とイメージが浮かんできます。
それらの名前にはその色をあらわすために、身近にある
「草木」「染料」「生物」などの名が使われました。

草木・・・桃色(ももいろ) 小豆色(あずきいろ) 菫色す(みれいろ)
染料・・・藍色(あいいろ) 梔子色(くちなしいろ)
生物・・・朱鷺色(ときいろ)鶯色(うぐいすいろ) 雀色(すずめいろ)

美しさの微妙な違いを的確にとらえ楽しむ
日本人の繊細な感覚を、それらの名前から知ることができます。
昔から人々に愛されてきた「梅」も
さまざまな伝統色の名前に使われています。

紅梅色 こうばいいろ
koubai.png
英名・Rose Pink(ローズピンク)バラの花の淡紅色
http://www.colordic.org/colorsample/2025.html

色味・・紅梅の花色に似て、かすかに紫味を含む淡い紅色。
名・・・紅梅の花の色をあらわした名前。
染料・・淡い藍の下染めに、紅花を上掛けした。

王朝の詩歌や物語に多く見られる「紅梅色」。
平安時代、紅梅色は早春(11~2月)の着物の色として愛好され
その服色は平安文学にしばしばあらわれます

紅梅色は、紅染の濃さによって、濃紅梅・中紅梅・淡紅梅の三級に分けられます。

・濃紅梅
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平安時代、「濃紅梅」は「今様色(いまよういろ)」と呼ばれました。
「今様」とは「今、流行り」と言う意味で、当時の流行色のひとつだったようです。

・中紅梅
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文献に、単に「紅梅」とある場合は、中紅梅を指します。
これは、紅梅の花の色にあたります。

・淡紅梅
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薄紅梅(花色が薄い紅梅)の花の色。

梅鼠 うめねずみ
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英名・Rose Dust(ローズダスト)ほこりっぽい薄バラ色
http://www.colordic.org/colorsample/2022.html

色味・・赤みがかったうすい鼠色。
名・・・梅鼠の[梅]は、梅屋渋の染に見るような赤みの形容語。
染料・・梅屋渋(梅木の煎汁に榛皮の煎汁を加えたもの)に
灰汁・明礬・石灰・鉄漿を用いれば、微妙な赤みの鼠を得ることができる。

幕府による奢侈(しゃし)禁止令により、派手な衣服が制限されていた江戸時代。
庶民たちは、厳しく制約された暮らしの中で
自分の個性を精一杯表現しようとしました。
鼠色(ねずみいろ)や茶色に、微妙な色調の変化をつけ
奥ゆかしい色合いを楽しむのが、当時の庶民たちにとって
「粋(いき)」とされたのです。
こうして梅鼠など「四十八茶百鼠」といわれる
多くの渋味の色が、江戸時代を彩りました。
※「四十八茶百鼠」・・・ 茶色には48種類、鼠色には100種もの色があるという意味。

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春色散歩

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春の色彩

街に色が溢れ出る季節となってきました。
春色を身にまとい、ひらひらと桃や桜のむせかえるような色合い。
芽吹き始める新緑の木々。華やぐ色、萌える色、息吹の色など
生命感にあふれるさまざまな色が乱舞し始めます。

ピンクは日本語に訳すと桃の花の色で表し「桃色」としていますが
本来は薄桃色を指しています。
日本を代表するピンクは、国家にも指定されている桜です。
桜色や紅梅色などの色名があります。
薔薇の花の色を表す色名に「薔薇色」「ローズ」があります。
欧米では、ローズは色の名前を花で例えた最古のものと言われています。

薔薇の花の色は、赤、ピンク、オレンジなどさまざまで
色の名前のバリエーションも豊富です。
ピンク系の色名には「ローズピンク」「ローズレッド」「オールドローズ」などがあります。

ピンクで、果実の色を表す代表格に、「桃色」や「ピーチ」があります。
欧米で使われている「ピーチ」は桃の皮の色を指して「ピーチ」「ピーチピンク」と呼びます。
日本で使われている「桃色」は花の色をさします。
サクランボ(チェリー)も「チェリー」「チェリーピンク」「チェリーレッド」など
色名として用いられています。

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ピンクのイメージ
奈良時代には中国文化の影響を受けて、花といえば舶来の「梅」をさしました。
平安時代になり「桜」に対する心情がよみがえり
京都御所の左近の梅が桜に植え替えられ、和歌・絵画・工芸品にも
多く登場して一般民衆の花として親しまれました。
英語の表現で「being in the pink」といえば、健康にすぐれ
愛に満ちあふれている状態を表します。
ピンクは淡い恋の色と表せたり、幸福をイメージさせる色なのです。
また色彩心理学的にも、高まる気持ちをリラックスさせ
落ち着かせる効果があることがよく知られています。

カラー心理
ピンクの色彩心理は、気持ちを「優しく」「穏やかに」させる作用があります。
気持ちを暖かく、穏やかに元気づけてくれる働きがあります。
女性にとってピンクは、ホルモンの分泌を調整する働きがある色であるため
更年期生涯などがある人には特にお勧めの色といわれています。
また、女性はより女性らしく若返りたいときに
男性はやさしく穏やかな気持ちになりたいときに有効な色と言われています。
攻撃的な感情に悩まされたり、イライラする時に自分の気持ちや
雰囲気を優しくしたり、和ませてくれる効果が期待できる色でもあります。

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ピンクを好む人
この色を好む人は温和で細やかな配慮ができる人。
愛情深い人が多いといえます。
ピンクは、明るく幸せな気分にさせてくれる色ですが
夢見がちな気分になる傾向もあります。
自分が攻撃的になってしまっていると感じた時などに有効な色で
自分自身や周囲に対して、優しい思いやりの気持ちをもてるような
心のゆとりが生まれます。
また、困難な出来事に取り組まなくてはいけないときや
チャレンジして行く時に、ふわふわとした夢見心地な感覚で
現実逃避をしてしまうという危険性も含んでいます。

マーケティングで使われるピンク
ピンクは、季節の中では春を象徴する色です。
雑誌や広告の分野でも、春を象徴する色としてピンクや若葉を表す緑を使い
紙面を演出します。マーケットでは、女性をターゲットにした
商品のパッケージにピンクを利用して、商品の「優しさ」「穏やかさ」を
訴求したものが多数見受けられます。
女性が愛する色として、ピンクは重要な色といえます。
「愛情」「幸せ」に良いイメージをユーザーに伝え
特に肌色に近いピンクは「やさしさ」というメッセージを伝えます。

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ピンクのキーワードとして
「女の子らしさ」「やさしさ」「可愛らしい」「ロマンチック」
「女性らしさ」「恋心」「優しく甘えたい」「子どもっぽさ」「セクシー」
「若返り」「春らしさ」「甘い」「穏やか」「至福」「愛情」などがあります。

ピンクを使うときの注意
ピンクを活用した環境づくりをすることによって
意見の対立しやすい議論の場などでは、穏やかな良い雰囲気が生まれます。
しかし「優しく穏やかな気分になる」からといって
大きな面積で使用すると、幸福感が逆に作用して
「現実逃避」の傾向が出てくる場合もあるので注意が必要です。
同時に、隣接する空間との色彩バランスにも考慮する必要があります。
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春色散歩

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春の色彩

街に色が溢れ出る季節となってきました。
春色を身にまとい、ひらひらと桃や桜のむせかえるような色合い。
芽吹き始める新緑の木々。華やぐ色、萌える色、息吹の色など
生命感にあふれるさまざまな色が乱舞し始めます。

ピンクは日本語に訳すと桃の花の色で表し「桃色」としていますが
本来は薄桃色を指しています。
日本を代表するピンクは、国家にも指定されている桜です。
桜色や紅梅色などの色名があります。
薔薇の花の色を表す色名に「薔薇色」「ローズ」があります。
欧米では、ローズは色の名前を花で例えた最古のものと言われています。

薔薇の花の色は、赤、ピンク、オレンジなどさまざまで
色の名前のバリエーションも豊富です。
ピンク系の色名には「ローズピンク」「ローズレッド」「オールドローズ」などがあります。

ピンクで、果実の色を表す代表格に、「桃色」や「ピーチ」があります。
欧米で使われている「ピーチ」は桃の皮の色を指して「ピーチ」「ピーチピンク」と呼びます。
日本で使われている「桃色」は花の色をさします。
サクランボ(チェリー)も「チェリー」「チェリーピンク」「チェリーレッド」など
色名として用いられています。

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ピンクのイメージ
奈良時代には中国文化の影響を受けて、花といえば舶来の「梅」をさしました。
平安時代になり「桜」に対する心情がよみがえり
京都御所の左近の梅が桜に植え替えられ、和歌・絵画・工芸品にも
多く登場して一般民衆の花として親しまれました。
英語の表現で「being in the pink」といえば、健康にすぐれ
愛に満ちあふれている状態を表します。
ピンクは淡い恋の色と表せたり、幸福をイメージさせる色なのです。
また色彩心理学的にも、高まる気持ちをリラックスさせ
落ち着かせる効果があることがよく知られています。

カラー心理
ピンクの色彩心理は、気持ちを「優しく」「穏やかに」させる作用があります。
気持ちを暖かく、穏やかに元気づけてくれる働きがあります。
女性にとってピンクは、ホルモンの分泌を調整する働きがある色であるため
更年期生涯などがある人には特にお勧めの色といわれています。
また、女性はより女性らしく若返りたいときに
男性はやさしく穏やかな気持ちになりたいときに有効な色と言われています。
攻撃的な感情に悩まされたり、イライラする時に自分の気持ちや
雰囲気を優しくしたり、和ませてくれる効果が期待できる色でもあります。

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ピンクを好む人
この色を好む人は温和で細やかな配慮ができる人。
愛情深い人が多いといえます。
ピンクは、明るく幸せな気分にさせてくれる色ですが
夢見がちな気分になる傾向もあります。
自分が攻撃的になってしまっていると感じた時などに有効な色で
自分自身や周囲に対して、優しい思いやりの気持ちをもてるような
心のゆとりが生まれます。
また、困難な出来事に取り組まなくてはいけないときや
チャレンジして行く時に、ふわふわとした夢見心地な感覚で
現実逃避をしてしまうという危険性も含んでいます。

マーケティングで使われるピンク
ピンクは、季節の中では春を象徴する色です。
雑誌や広告の分野でも、春を象徴する色としてピンクや若葉を表す緑を使い
紙面を演出します。マーケットでは、女性をターゲットにした
商品のパッケージにピンクを利用して、商品の「優しさ」「穏やかさ」を
訴求したものが多数見受けられます。
女性が愛する色として、ピンクは重要な色といえます。
「愛情」「幸せ」に良いイメージをユーザーに伝え
特に肌色に近いピンクは「やさしさ」というメッセージを伝えます。

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ピンクのキーワードとして
「女の子らしさ」「やさしさ」「可愛らしい」「ロマンチック」
「女性らしさ」「恋心」「優しく甘えたい」「子どもっぽさ」「セクシー」
「若返り」「春らしさ」「甘い」「穏やか」「至福」「愛情」などがあります。

ピンクを使うときの注意
ピンクを活用した環境づくりをすることによって
意見の対立しやすい議論の場などでは、穏やかな良い雰囲気が生まれます。
しかし「優しく穏やかな気分になる」からといって
大きな面積で使用すると、幸福感が逆に作用して
「現実逃避」の傾向が出てくる場合もあるので注意が必要です。
同時に、隣接する空間との色彩バランスにも考慮する必要があります。
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色彩のチカラ

c7

色の持つ意味やチカラを上手に取り入れて
日々の暮らしに彩りを♪


身の回りにはたくさんの色がありきす。
その色によって体調や気分が左右されるのですから不思議です。

ものを選ぶ時、形やサイズの他に「色」はとても大事な要素。
デザインは気に入ったけれど好みの色がなくて買わなかったこと
逆に形はともかく好きな色だったから買ってしまったなど
「色」を中心に何かを選ぶことって結構多いもの。

私たちを取り巻くたくさんの色たち。
これらの色は、それぞれに性格や意味を持っているといわれています。

たとえば、青を代表とする「寒色系」はひんやりとした冷たいイメージ。
水や氷などの冷たいイメージで体感温度が下がったり鎮静作用があるそうです。
反対に赤などの「暖色系」は太陽や光が連想出来、ぽかぽかとした暖かいイメージ。
この温度のイメージは実際に体でも感じるそうで、身につけていると元気が出たり
体感温度が上がったりするそうです。
青を見ると寒く感じ、赤を見ると暖かく感じる・・・
その体感温度の差はなんと3度もあるといわれています。
時間の経過も暖色系の色のものが多い部屋の方が早く感じられると言われたり
寒色系は、人の心を落ち着け、集中力をアップさせる効果があるので
集中力を高めたい場合は、部屋を寒色系の色で彩ることをお薦めします。

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またその2つに属さない緑や茶、紫系統は中間色といって
落ち着いたりリラックスができるそうです。
パソコンなどで疲れたときなどに
遠くの木や山の緑を見ると癒されるのがわかります。

毎年発信されるトレンドカラーというのは景気を反映するともいわれており
景気が良い時には強い色や明るい色、低迷期には白や黒、薄い色などが流行るそうです。
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色彩のチカラ

c7

色の持つ意味やチカラを上手に取り入れて
日々の暮らしに彩りを♪


身の回りにはたくさんの色がありきす。
その色によって体調や気分が左右されるのですから不思議です。

ものを選ぶ時、形やサイズの他に「色」はとても大事な要素。
デザインは気に入ったけれど好みの色がなくて買わなかったこと
逆に形はともかく好きな色だったから買ってしまったなど
「色」を中心に何かを選ぶことって結構多いもの。

私たちを取り巻くたくさんの色たち。
これらの色は、それぞれに性格や意味を持っているといわれています。

たとえば、青を代表とする「寒色系」はひんやりとした冷たいイメージ。
水や氷などの冷たいイメージで体感温度が下がったり鎮静作用があるそうです。
反対に赤などの「暖色系」は太陽や光が連想出来、ぽかぽかとした暖かいイメージ。
この温度のイメージは実際に体でも感じるそうで、身につけていると元気が出たり
体感温度が上がったりするそうです。
青を見ると寒く感じ、赤を見ると暖かく感じる・・・
その体感温度の差はなんと3度もあるといわれています。
時間の経過も暖色系の色のものが多い部屋の方が早く感じられると言われたり
寒色系は、人の心を落ち着け、集中力をアップさせる効果があるので
集中力を高めたい場合は、部屋を寒色系の色で彩ることをお薦めします。

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またその2つに属さない緑や茶、紫系統は中間色といって
落ち着いたりリラックスができるそうです。
パソコンなどで疲れたときなどに
遠くの木や山の緑を見ると癒されるのがわかります。

毎年発信されるトレンドカラーというのは景気を反映するともいわれており
景気が良い時には強い色や明るい色、低迷期には白や黒、薄い色などが流行るそうです。
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日本の美彩色

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長い歴史のなかで生まれ育まれてきた日本の伝統色。
主に草木から染め出した、その美しい色合いは日本の風土とも合い
しっとりと落ち着きがあり、私たち日本人にとって最も心安らぐ色ではないでしょうか。

日本の伝統色とひとくちで言ってもその内容はさまざまです。
身近な動物や植物から採った名前や、染め材料をそのまま色の名前にしたものなど。
また万葉の昔から使われてきた名前もあれば、江戸の文化と共に生まれた名前
明治以降に化学染料が主流になってから付けられた名前もあり
実に豊かでバラエティに富んだ、味わいのある名前が数多く伝えられてきています。
そしてこれからも受け継いで行かなければならない大切な日本の文化でもあります。

茜色、紅色、桜色、山吹色、紫苑色...。日本に古くから伝わる色名は
どれも味わい深い名のものばかりです。
現代なら、赤、紫、青、緑、黄..とおおまかに捉えてしまう色の中にも
昔の人は、微妙な違いを見つけ、日本人ならではの審美的感性で
様々な色名で使いわけていました。
 
緋色、瑠璃色、萌葱色...色につけられた名前はとても美しいですよね。
12色絵の具にある色名でなく、もっともっと多彩な色名に触れ
古くから日本人が培ってきた感性に触れることができたらステキだと思いませんか。
日本の色を知って、様々な色の魅力を楽しみたいですね。

紅梅色、桜色、藍色、萌葱色...など、染料、花や鳥、人の名前から色名が生まれました。
色名には、日本人の文化や文明の歴史、生活が反映されていて
その色名から、日本人のものの見方や、考え方を感じることができます。
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日本の美彩色

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長い歴史のなかで生まれ育まれてきた日本の伝統色。
主に草木から染め出した、その美しい色合いは日本の風土とも合い
しっとりと落ち着きがあり、私たち日本人にとって最も心安らぐ色ではないでしょうか。

日本の伝統色とひとくちで言ってもその内容はさまざまです。
身近な動物や植物から採った名前や、染め材料をそのまま色の名前にしたものなど。
また万葉の昔から使われてきた名前もあれば、江戸の文化と共に生まれた名前
明治以降に化学染料が主流になってから付けられた名前もあり
実に豊かでバラエティに富んだ、味わいのある名前が数多く伝えられてきています。
そしてこれからも受け継いで行かなければならない大切な日本の文化でもあります。

茜色、紅色、桜色、山吹色、紫苑色...。日本に古くから伝わる色名は
どれも味わい深い名のものばかりです。
現代なら、赤、紫、青、緑、黄..とおおまかに捉えてしまう色の中にも
昔の人は、微妙な違いを見つけ、日本人ならではの審美的感性で
様々な色名で使いわけていました。
 
緋色、瑠璃色、萌葱色...色につけられた名前はとても美しいですよね。
12色絵の具にある色名でなく、もっともっと多彩な色名に触れ
古くから日本人が培ってきた感性に触れることができたらステキだと思いませんか。
日本の色を知って、様々な色の魅力を楽しみたいですね。

紅梅色、桜色、藍色、萌葱色...など、染料、花や鳥、人の名前から色名が生まれました。
色名には、日本人の文化や文明の歴史、生活が反映されていて
その色名から、日本人のものの見方や、考え方を感じることができます。
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色物語

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■色の語源
色ということばのなりたち

「色」をたどることはその国の生活文化をたどる事と同じだといわれます。
「色」は色彩そのものとして現象するのではなく、必ず事物をともなってあらわれます。
ですから色の名称も風景や事物に託されることが多く
色の意味を追求すればそれを表現する生活や風習が
そこにあらわれてきます。
日本の「色」をたずねることは、日本人の生活や価値観や
美意識をさぐる重要なてがかりといえるでしょう。

日本語の「色」はもともと色彩の意味がなかったと言われています。
万葉集にもあるように「いろせ」とか「いろね」のように
兄や姉の敬称のように使われたり
「いろも」のように恋するものの呼び名として使われていました。
ひとを敬する、ひとを恋する言葉として使われていました。
それがだんだんと男女の交遊を意味したり
相手の女性の美しさをたたえる言葉となり
さらに美しいものの一般的名称として拡大されその美しさが色鮮やかさにつながって
色彩そのものを指すようになっていったと言われています。
「色恋ざた」のようにどうして「色」と「恋」がくっつくのか納得するところですし
王朝の「色好み」というのもそうした男女の関係に情をつくすことを指していました。

一方、漢字の「色」は
「人のうしろにまた人がおり抱く形で相交わること」を示しているといわれ
上の「ク」は人で、下の「巴」は人がひざまずく姿だと解釈されるようです。
まさに男女の情交を意味しています。
中国では、古くは色彩のことを「采」(さい)といったようです。
「采」は木の実を採取することで、それが「彩」に通じて
色や文様を意味するようになったともいわれています。
「日本書紀」や「古事記」などにでてくる色は
あか、しろ、あお、くろの4つが主なものとされています。
しかし現代人のように色彩感覚があって色名が識別されていたのではなく
「明」「漠」「暗」の光の程度を表していたのではないかといわれています。

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「あか」は鮮やかで過で明るいと捉えられ太陽に由来すると想像されています。

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「しろ」は夜が明けようとする時の「夜が白ける」という明るくなる時の状態をさしていた様です。

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「くろ」は「暮れてくる」ことをさしていたと考えられています。

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「あお」は、明と暗の中間の漠とした感じでとらえていたようです。

古代人の初期の色名はこのように
「あか」「あお」「しろ」「くろ」の4つの名称で区別し
色彩というよりも、明暗の段階を意味していました。

■青・赤・紫
日本の代表的な三つの色について色にまつわる物語

ao

青は、人間の暮らしになじみの深い色です。
見上げる青い空、視線のかなたに広がる紺碧の海、そしてゆるやかに流れる大河の青い水面。
地球上には、青がいつも広がっています。
しかし青を定義することは、またむずかしいことともいわれています。
というのは、青は人々の暮らしになじみやすいだけに
民族や時代によってさまざまなとらえられ方をしてきたからです。

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●青の語源
「あお」という色には、青、蒼、滄、碧などの漢字があてられます。
「青」は、旧字体で書くと意味がよくわかります。
ao_q

中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「東方の色なり。木、火を生ず。生丹に従ふ。丹青の信、言必ず然り」
とあります。
旧字体の文字は「生」と「丹」から成り立っており「生」は木を象形し
「丹」は朱系の色を示しています。五行説に従えば
「青」は丹つまり赤につながっていることになります。
「滄」は寒い、あるいは涼をあらわすところから
滄海、滄浪のように用いられ、海の色をあらわしています。
「碧」は文字通り石で、青く美しい宝玉をあらわします。
「みどり」あるいは「あおみどり」とも読まれます。

●「青」の持つイメージ
日本人にとって「青」とはどんな色なのでしょう。
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色物語

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■色の語源
色ということばのなりたち

「色」をたどることはその国の生活文化をたどる事と同じだといわれます。
「色」は色彩そのものとして現象するのではなく、必ず事物をともなってあらわれます。
ですから色の名称も風景や事物に託されることが多く
色の意味を追求すればそれを表現する生活や風習が
そこにあらわれてきます。
日本の「色」をたずねることは、日本人の生活や価値観や
美意識をさぐる重要なてがかりといえるでしょう。

日本語の「色」はもともと色彩の意味がなかったと言われています。
万葉集にもあるように「いろせ」とか「いろね」のように
兄や姉の敬称のように使われたり
「いろも」のように恋するものの呼び名として使われていました。
ひとを敬する、ひとを恋する言葉として使われていました。
それがだんだんと男女の交遊を意味したり
相手の女性の美しさをたたえる言葉となり
さらに美しいものの一般的名称として拡大されその美しさが色鮮やかさにつながって
色彩そのものを指すようになっていったと言われています。
「色恋ざた」のようにどうして「色」と「恋」がくっつくのか納得するところですし
王朝の「色好み」というのもそうした男女の関係に情をつくすことを指していました。

一方、漢字の「色」は
「人のうしろにまた人がおり抱く形で相交わること」を示しているといわれ
上の「ク」は人で、下の「巴」は人がひざまずく姿だと解釈されるようです。
まさに男女の情交を意味しています。
中国では、古くは色彩のことを「采」(さい)といったようです。
「采」は木の実を採取することで、それが「彩」に通じて
色や文様を意味するようになったともいわれています。
「日本書紀」や「古事記」などにでてくる色は
あか、しろ、あお、くろの4つが主なものとされています。
しかし現代人のように色彩感覚があって色名が識別されていたのではなく
「明」「漠」「暗」の光の程度を表していたのではないかといわれています。

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「あか」は鮮やかで過で明るいと捉えられ太陽に由来すると想像されています。

i_shiro

「しろ」は夜が明けようとする時の「夜が白ける」という明るくなる時の状態をさしていた様です。

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「くろ」は「暮れてくる」ことをさしていたと考えられています。

i_ao

「あお」は、明と暗の中間の漠とした感じでとらえていたようです。

古代人の初期の色名はこのように
「あか」「あお」「しろ」「くろ」の4つの名称で区別し
色彩というよりも、明暗の段階を意味していました。

■青・赤・紫
日本の代表的な三つの色について色にまつわる物語

ao

青は、人間の暮らしになじみの深い色です。
見上げる青い空、視線のかなたに広がる紺碧の海、そしてゆるやかに流れる大河の青い水面。
地球上には、青がいつも広がっています。
しかし青を定義することは、またむずかしいことともいわれています。
というのは、青は人々の暮らしになじみやすいだけに
民族や時代によってさまざまなとらえられ方をしてきたからです。

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●青の語源
「あお」という色には、青、蒼、滄、碧などの漢字があてられます。
「青」は、旧字体で書くと意味がよくわかります。
ao_q

中国古代(後漢時代)の字書「設文解字」(せつもんかいじ)によれば
「東方の色なり。木、火を生ず。生丹に従ふ。丹青の信、言必ず然り」
とあります。
旧字体の文字は「生」と「丹」から成り立っており「生」は木を象形し
「丹」は朱系の色を示しています。五行説に従えば
「青」は丹つまり赤につながっていることになります。
「滄」は寒い、あるいは涼をあらわすところから
滄海、滄浪のように用いられ、海の色をあらわしています。
「碧」は文字通り石で、青く美しい宝玉をあらわします。
「みどり」あるいは「あおみどり」とも読まれます。

●「青」の持つイメージ
日本人にとって「青」とはどんな色なのでしょう。
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