月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

言の葉模様

雪の言の葉

2月8日から9日にかけて、関東地方でも警報が出るほどの大雪となりました。
雪が降ると、今まで見ていた風景が白一色になり美しいものですが
積もれば積もったで普段の生活に支障をきたす事がたくさんあります。

立春寒波による雪を経験し、色々と大変ではありましたが
今回はその苦労はちょっと横に置いて
雪を表現する日本の美しい言葉をご紹介します。

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「雪は天から送られた手紙である」
雪の研究の第一人者である中谷宇吉郎博士の名文句です。
雪の結晶の形を見れば、上空の雲や大気の温度、水蒸気量などの
気象状況がわかるということなのです。
雪の結晶は気温、水蒸気量、地上に落ちてくるまでの時間
風の状態などによって形が変わりますが
すべて六角形であるという点だけは変わりません。
そこで、雪は、結晶の形から「六花(むつのはな・りっか)」とも呼ばれ
雪の結晶が花のように見えることから「銀花(ぎんか)」の異称もあります。
いずれも、雪ならではの美しい言葉です。

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例年よりも【初雪】が早く降れば【早雪 (そうせつ)】と呼ばれ
山々に【初冠雪】をもたらします。

やがて冬を越し、その年最後の【終雪 (しゅうせつ)】となり
雪の別れ】【雪の果て】【雪の名残】と呼ばれて冬に別れを告げます。

歌で有名な【名残雪(なごりゆき)】は、まるで名残を惜しむかのように
春近くに降る雪のこと。
振り返ればあれが最後だったと思うような、その年最後の雪でもあります。

また、春になっても残る雪を【残雪】【去年の雪(こぞのゆき)】と呼び
とけずに残る【根雪】や、年中とけない【万年雪】もあります。

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降る雪の名前・表現
名前を知ると雪を見る目も変わります
手に触れればすぐにとけてしまう雪ですが、その様子から様々な名前がついています。

【白雪】【 雪 花(せっか)】【深雪(みゆき)】
雪の美称。

【細雪(ささめゆき)】 
細やかに降る 雪 のこと。

【粉雪】【小米雪(こごめゆき)】
粉のように細やかな雪のこと。パウダースノー。

【灰雪】
灰のようにふわふわ舞う雪のこと。

【泡雪】【沫雪(あわゆき)】 
泡のようにとけやすい雪のこと。

【淡雪(あわゆき)】 
うっすらと積もる、とけやすい雪のこと。

【玉雪】
比較的暖かい時期に降る、玉の形をした雪のこと。

【綿雪】【牡丹雪】【花びら雪】
雪片(せっぺん。ひとひらの雪をさす)の大きな雪のこと。

【餅雪】
玉雪や綿雪がややとけている状態の雪のこと。

【べた雪】【濡れ雪】
餅 雪 よりも水分の多い雪のこと。

【水 雪 】
べた 雪 と雨の中間。

【風花】
風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪のこと。

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積もる雪の名前・表現
降り積もった 雪 の様子にも、色々な表現があります。

【銀世界】【銀雪】【雪化粧】
積雪した様子。

【新 雪 】
積もったばかりの雪のこと。

【瑞雪】
めでたいときの雪。

【粗目雪(ざらめゆき)】 
とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪。

【どか雪】
一時に大量に降り積もること。

【雪明かり】
積雪で薄明るくなる様子。

【 雪 持ち】
雪が枝や葉に積もっている様子。

【綿帽子】
樹木などに積もった雪の様子。

【松の雪】
松の枝葉に積もった雪。

【垂り雪(しずりゆき)】 
枝や屋根などから落ちる雪。

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雪 (冬の季語:天文)

雪の花 雪華(せっか) 六花(むつのはな)
粉雪 細雪 小米雪 雪片(せっぺん) ひとひらの雪
大雪 小雪 薄雪 深雪(みゆき) 新雪 根雪(ねゆき)
雪明り 雪の声 雪国 吹雪 雪しまき 綿雪 牡丹雪(春季)

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■ 季語「雪」の副題 
雪月花という言葉がありますが、詩歌の世界において冬の雪は
春の花、秋の月とともに、日本の自然美の代表格として扱われてきました。

俳句の世界でも、雪の句は数えきれないほどたくさん詠まれ
そのため、季語「雪」には様々な副題が存在するのです。

代表的なものとして
雪の花雪華(せつか)、六花(むつのはな)。

これらの季語は、虫眼鏡などで雪を覗くと、その結晶が
美しい六角形の花のようになっていることに由来します。

次は雪の大きさや形状に由来する季語
気温が特に低い時に降る小粒の雪には、粉雪細雪(ささめゆき)
小米雪(こごめゆき)などの呼称が付けれれています。
このうち、最も細かい雪はさらさらの粉雪で、細雪、小米雪は
それより少し粒の大きい印象を受けます。

細かくちぎった紙のように、ひらひら舞ってくる雪が雪片(せっぺん)。
これをやわらかく表現するとひとひらの雪となります。

なお、ふんわりと大きな雪には、綿雪牡丹雪(ぼたんゆき)の呼び名があります。
ただし、こうした大きな雪は、比較的暖かい時に降る雪であるため
春の季語「淡雪」の副題として扱われることが多いようです。

雪の程度を示す季語としては、大雪(おおゆき)と小雪(こゆき)があります。
言うまでもなく、激しく大量に降る雪が大雪であり
ちらつく程度に少しだけ降る雪が小雪。

薄雪深雪(みゆき)、新雪(しんせつ)、根雪(ねゆき)は
雪の積もった様子を表現する季語
薄雪と深雪については、それぞれ字のごとく、雪が薄っすらと積もっている様子と
雪が深々と積もっている様子を指します。

新雪は積もったばかりの汚れていない雪を指す言葉で
特に全く足跡の無い雪は処女雪とも呼ばれます。
これに対し、根雪とはずっと前に降ったまま融けることなく残っている雪であり
その上には、あとに降った雪が幾重にも被さっていることが多い。

雪明りは、積もった雪がその反射によって夜闇の中で
ほんのり明るく見える状態を指す言葉。
上手に用いると、幻想的な俳句が出来るかもしれません。

雪の声は、雪が降り重なっていくときに聞こえてくる音。
この季語を用いると、静かさの際立った俳句が出来ます。
なお、雪を孕んだ強風を指す吹雪雪しまきは、多くの歳時記で
雪の副題ではなく、独立した季語として扱われています。

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 関連記事 『雪の華』
http://rosymoon.blog35.fc2.com/blog-entry-140.html

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 参考サイト
季語めぐり
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雪の言の葉

2月8日から9日にかけて、関東地方でも警報が出るほどの大雪となりました。
雪が降ると、今まで見ていた風景が白一色になり美しいものですが
積もれば積もったで普段の生活に支障をきたす事がたくさんあります。

立春寒波による雪を経験し、色々と大変ではありましたが
今回はその苦労はちょっと横に置いて
雪を表現する日本の美しい言葉をご紹介します。

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「雪は天から送られた手紙である」
雪の研究の第一人者である中谷宇吉郎博士の名文句です。
雪の結晶の形を見れば、上空の雲や大気の温度、水蒸気量などの
気象状況がわかるということなのです。
雪の結晶は気温、水蒸気量、地上に落ちてくるまでの時間
風の状態などによって形が変わりますが
すべて六角形であるという点だけは変わりません。
そこで、雪は、結晶の形から「六花(むつのはな・りっか)」とも呼ばれ
雪の結晶が花のように見えることから「銀花(ぎんか)」の異称もあります。
いずれも、雪ならではの美しい言葉です。

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例年よりも【初雪】が早く降れば【早雪 (そうせつ)】と呼ばれ
山々に【初冠雪】をもたらします。

やがて冬を越し、その年最後の【終雪 (しゅうせつ)】となり
雪の別れ】【雪の果て】【雪の名残】と呼ばれて冬に別れを告げます。

歌で有名な【名残雪(なごりゆき)】は、まるで名残を惜しむかのように
春近くに降る雪のこと。
振り返ればあれが最後だったと思うような、その年最後の雪でもあります。

また、春になっても残る雪を【残雪】【去年の雪(こぞのゆき)】と呼び
とけずに残る【根雪】や、年中とけない【万年雪】もあります。

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降る雪の名前・表現
名前を知ると雪を見る目も変わります
手に触れればすぐにとけてしまう雪ですが、その様子から様々な名前がついています。

【白雪】【 雪 花(せっか)】【深雪(みゆき)】
雪の美称。

【細雪(ささめゆき)】 
細やかに降る 雪 のこと。

【粉雪】【小米雪(こごめゆき)】
粉のように細やかな雪のこと。パウダースノー。

【灰雪】
灰のようにふわふわ舞う雪のこと。

【泡雪】【沫雪(あわゆき)】 
泡のようにとけやすい雪のこと。

【淡雪(あわゆき)】 
うっすらと積もる、とけやすい雪のこと。

【玉雪】
比較的暖かい時期に降る、玉の形をした雪のこと。

【綿雪】【牡丹雪】【花びら雪】
雪片(せっぺん。ひとひらの雪をさす)の大きな雪のこと。

【餅雪】
玉雪や綿雪がややとけている状態の雪のこと。

【べた雪】【濡れ雪】
餅 雪 よりも水分の多い雪のこと。

【水 雪 】
べた 雪 と雨の中間。

【風花】
風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪のこと。

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積もる雪の名前・表現
降り積もった 雪 の様子にも、色々な表現があります。

【銀世界】【銀雪】【雪化粧】
積雪した様子。

【新 雪 】
積もったばかりの雪のこと。

【瑞雪】
めでたいときの雪。

【粗目雪(ざらめゆき)】 
とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪。

【どか雪】
一時に大量に降り積もること。

【雪明かり】
積雪で薄明るくなる様子。

【 雪 持ち】
雪が枝や葉に積もっている様子。

【綿帽子】
樹木などに積もった雪の様子。

【松の雪】
松の枝葉に積もった雪。

【垂り雪(しずりゆき)】 
枝や屋根などから落ちる雪。

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雪 (冬の季語:天文)

雪の花 雪華(せっか) 六花(むつのはな)
粉雪 細雪 小米雪 雪片(せっぺん) ひとひらの雪
大雪 小雪 薄雪 深雪(みゆき) 新雪 根雪(ねゆき)
雪明り 雪の声 雪国 吹雪 雪しまき 綿雪 牡丹雪(春季)

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■ 季語「雪」の副題 
雪月花という言葉がありますが、詩歌の世界において冬の雪は
春の花、秋の月とともに、日本の自然美の代表格として扱われてきました。

俳句の世界でも、雪の句は数えきれないほどたくさん詠まれ
そのため、季語「雪」には様々な副題が存在するのです。

代表的なものとして
雪の花雪華(せつか)、六花(むつのはな)。

これらの季語は、虫眼鏡などで雪を覗くと、その結晶が
美しい六角形の花のようになっていることに由来します。

次は雪の大きさや形状に由来する季語
気温が特に低い時に降る小粒の雪には、粉雪細雪(ささめゆき)
小米雪(こごめゆき)などの呼称が付けれれています。
このうち、最も細かい雪はさらさらの粉雪で、細雪、小米雪は
それより少し粒の大きい印象を受けます。

細かくちぎった紙のように、ひらひら舞ってくる雪が雪片(せっぺん)。
これをやわらかく表現するとひとひらの雪となります。

なお、ふんわりと大きな雪には、綿雪牡丹雪(ぼたんゆき)の呼び名があります。
ただし、こうした大きな雪は、比較的暖かい時に降る雪であるため
春の季語「淡雪」の副題として扱われることが多いようです。

雪の程度を示す季語としては、大雪(おおゆき)と小雪(こゆき)があります。
言うまでもなく、激しく大量に降る雪が大雪であり
ちらつく程度に少しだけ降る雪が小雪。

薄雪深雪(みゆき)、新雪(しんせつ)、根雪(ねゆき)は
雪の積もった様子を表現する季語
薄雪と深雪については、それぞれ字のごとく、雪が薄っすらと積もっている様子と
雪が深々と積もっている様子を指します。

新雪は積もったばかりの汚れていない雪を指す言葉で
特に全く足跡の無い雪は処女雪とも呼ばれます。
これに対し、根雪とはずっと前に降ったまま融けることなく残っている雪であり
その上には、あとに降った雪が幾重にも被さっていることが多い。

雪明りは、積もった雪がその反射によって夜闇の中で
ほんのり明るく見える状態を指す言葉。
上手に用いると、幻想的な俳句が出来るかもしれません。

雪の声は、雪が降り重なっていくときに聞こえてくる音。
この季語を用いると、静かさの際立った俳句が出来ます。
なお、雪を孕んだ強風を指す吹雪雪しまきは、多くの歳時記で
雪の副題ではなく、独立した季語として扱われています。

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 関連記事 『雪の華』
http://rosymoon.blog35.fc2.com/blog-entry-140.html

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初明り

初明り

初夜明とも。
元日の明け方、山陰や森の陰などから差しそめる曙光を言います。 
元日の朝、東天がほのぼのと明るくなること。また、さしてくる明け方の光。
[季]新年。

元日の日の出前に見られるほのかな光のこと。
その光はだんだんと空を朝の色にします。
初日の出は、太陽が顔を出したときにクライマックスとなりますが
初明りは、その前のほのかな明かりさえ味わうという美しい季語。

touji2_20120104162147.jpg

元日の明け方の光
まだ、蒼(あお)暗い闇の中に沈んでいる、元旦の空。 
やがて、東の空に明るさが動くようになると
いよいよ新年の夜明けの始まり。

「初東雲(はつしののめ)」
「初曙(はつあけぼの)」を経て 「初日の出」へ…

東の空がうっすらと明け始めるころのことを「東雲」
そして元旦の夜明けを「初東雲・はつしののめ」と言い
元旦の夜明け、明るさの射した空のことを「初曙」と言います。
 
次第に、茜(あかね)色がにじむように広がって
美しい彩りを添えていきます。
初日の出る直前の茜色の空を「初茜」と言い
この茜雲も「初茜」と呼ばれます。

その間、ほのぼのと明るさを増していく空の色。 
この新しい年の空に、静かに広がっていく光が『初明り』です。

太陽が顔を出すころには、空はもうしらじらと明けています。
初日が見えるか見えないか… 
私たちは、どうしても登ってくる太陽に気をとられがちです。 
でも、たとえ朝日の姿が見えなくても
すでにやさしい光に包まれているのです。

初あかりそのまま命あかりかな (能村登四郎)
一年を高でくくつて初夜明 曾良 「乙酉歳旦帖」
淀川の水の碧に初明り 青木月斗 「改造文学全集」
はつ明りさすやみかのべみかのはら 高田蝶衣 「青垣山」
初明り火鉢の焔立ち来けり 臼田亜浪 「定本亜浪句集」


aflo_loma007601_20120104162147.jpg

寒い冬のさなかに訪れる新年を、初春(はつはる)・新春・迎春などと
「春」をつけて呼ぶのはなぜでしょうか。
それは、明治5年まで用いられていた旧暦においては
立春の前後を年始としていたため、その習慣が残っているからです。

旧暦においては、雨水(うすい:立春の約15日後。
現在の2月19日頃)の直前の朔(さく:新月)の日を元日と定めていました。
よって、昔の元日は、立春の約15日前から約15日後の間のいずれかの日に訪れました。
旧暦では、新しい年と新しい春が、まさに同時期に訪れていたのです。

新年を寿ぐ(ことほぐ)意味で用いられる「春」の語は
他の様々な語と結びついて、和歌や俳句で用いられてきました。
明の春(あけのはる)、今朝の春、花の春、千代の春、四方の春
老の春(おいのはる)あたりが代表的ですが
国の春、江戸の春、家の春、宿の春など、様々な用い方が出来ます。

なお、「初春」を「はつはる」ではなく、「しょしゅん」と発音する場合は
新年の季語ではなく、立春からの約1か月間を指す春の季語となります。

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ふうこのデジ俳・デジ川様より



『言の葉ブログ』
季語集・新年
新年の季語一覧


美しい暦のことば美しい暦のことば
(2006/04)
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季別季語辞典季別季語辞典
(2002/07)
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(1995/12)
長谷川 櫂、水野 克比古 他

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初明り

初明り

初夜明とも。
元日の明け方、山陰や森の陰などから差しそめる曙光を言います。 
元日の朝、東天がほのぼのと明るくなること。また、さしてくる明け方の光。
[季]新年。

元日の日の出前に見られるほのかな光のこと。
その光はだんだんと空を朝の色にします。
初日の出は、太陽が顔を出したときにクライマックスとなりますが
初明りは、その前のほのかな明かりさえ味わうという美しい季語。

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元日の明け方の光
まだ、蒼(あお)暗い闇の中に沈んでいる、元旦の空。 
やがて、東の空に明るさが動くようになると
いよいよ新年の夜明けの始まり。

「初東雲(はつしののめ)」
「初曙(はつあけぼの)」を経て 「初日の出」へ…

東の空がうっすらと明け始めるころのことを「東雲」
そして元旦の夜明けを「初東雲・はつしののめ」と言い
元旦の夜明け、明るさの射した空のことを「初曙」と言います。
 
次第に、茜(あかね)色がにじむように広がって
美しい彩りを添えていきます。
初日の出る直前の茜色の空を「初茜」と言い
この茜雲も「初茜」と呼ばれます。

その間、ほのぼのと明るさを増していく空の色。 
この新しい年の空に、静かに広がっていく光が『初明り』です。

太陽が顔を出すころには、空はもうしらじらと明けています。
初日が見えるか見えないか… 
私たちは、どうしても登ってくる太陽に気をとられがちです。 
でも、たとえ朝日の姿が見えなくても
すでにやさしい光に包まれているのです。

初あかりそのまま命あかりかな (能村登四郎)
一年を高でくくつて初夜明 曾良 「乙酉歳旦帖」
淀川の水の碧に初明り 青木月斗 「改造文学全集」
はつ明りさすやみかのべみかのはら 高田蝶衣 「青垣山」
初明り火鉢の焔立ち来けり 臼田亜浪 「定本亜浪句集」


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寒い冬のさなかに訪れる新年を、初春(はつはる)・新春・迎春などと
「春」をつけて呼ぶのはなぜでしょうか。
それは、明治5年まで用いられていた旧暦においては
立春の前後を年始としていたため、その習慣が残っているからです。

旧暦においては、雨水(うすい:立春の約15日後。
現在の2月19日頃)の直前の朔(さく:新月)の日を元日と定めていました。
よって、昔の元日は、立春の約15日前から約15日後の間のいずれかの日に訪れました。
旧暦では、新しい年と新しい春が、まさに同時期に訪れていたのです。

新年を寿ぐ(ことほぐ)意味で用いられる「春」の語は
他の様々な語と結びついて、和歌や俳句で用いられてきました。
明の春(あけのはる)、今朝の春、花の春、千代の春、四方の春
老の春(おいのはる)あたりが代表的ですが
国の春、江戸の春、家の春、宿の春など、様々な用い方が出来ます。

なお、「初春」を「はつはる」ではなく、「しょしゅん」と発音する場合は
新年の季語ではなく、立春からの約1か月間を指す春の季語となります。

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ふうこのデジ俳・デジ川様より



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冬のことのは「冬麗」

「冬麗」(とうれい、ふゆうらら)

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冬日和 (ふゆびより)〔冬晴〕
冬麗(とうれい)は冬晴れと同意の季語です。

冬麗の陽を載せ誰も居ぬベンチ   楠本健吉

冬の晴れた日のうらうらと暖かい日。
小春日和のあとにやってくる冬の晴れた日をこう呼んでいます。
雪が降ったりした後に晴れることが多く、その晴天が何日も続いたりします。
冬の暖かいお天気のいい日を冬麗(とうれい)というそうです。冬うららですね。

陽暦の11月中の小春日和の後にやってくる冬の晴れた日。
風が吹いたり、雪が降ったりした後に晴れることが多く
その晴天が何日も続いたりします。
日和はもともと海上の天気や海上の晴天を指す語でした。
日和風は日和になる風のこと、その風が日和東風(ごち)で
海上の日和が回復するまで、漁師や航海者は港で日和待(ひよりまち)をしました。
日和待に相応しい山が日和山で、全国にこの呼び名の山が残っています。

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小春日和も冬の好天の日を言いますが
もともと「小春」は陰暦10月の異称なので11月が適当かもしれません。
冬晴は12月とか1月の厳寒のころの冴え渡った晴天を言います。
かと言って厳密な区別があるわけではなく、小春日和を含めて
冬日和と言っていいでしょう。
冬晴と冬日和はどう違うかという問題もありますが、それは感覚の問題で
季語として使うときなどは作者の自由ということになるかもしれません。
どちらかと言えば「冬晴」のほうが語感から言っても鋭い感覚のように思われます。
「秋晴」「冬晴」という熟語はありますが「春晴」「夏晴」とは言いません。
「寒晴」(かんばれ)もいい季語です。

天照や梅に椿に冬日和   鬼貫 「俳諧七車」
家一つ畠七枚冬日和  一茶 「亨和句帖」
冬晴の雲井はるかに田鶴まへり-- 杉田久女 「杉田久女句集」
冬晴や水上たかく又遠く  前田普羅 「飛騨紬」


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冬うらら・・・
昼下がりの陽射しのもとの日向ぼっこ。
かじかんでいた身体も心も、ちょっとだけ
ほっと一息つける時間。


色彩浴・春夏秋冬の風韻 ハイビジョンでとらえた四季の色と言葉 [DVD]色彩浴・春夏秋冬の風韻
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早引き季語辞典 冬早引き季語辞典 冬
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山下 景子

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冬のことのは「冬麗」

「冬麗」(とうれい、ふゆうらら)

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冬日和 (ふゆびより)〔冬晴〕
冬麗(とうれい)は冬晴れと同意の季語です。

冬麗の陽を載せ誰も居ぬベンチ   楠本健吉

冬の晴れた日のうらうらと暖かい日。
小春日和のあとにやってくる冬の晴れた日をこう呼んでいます。
雪が降ったりした後に晴れることが多く、その晴天が何日も続いたりします。
冬の暖かいお天気のいい日を冬麗(とうれい)というそうです。冬うららですね。

陽暦の11月中の小春日和の後にやってくる冬の晴れた日。
風が吹いたり、雪が降ったりした後に晴れることが多く
その晴天が何日も続いたりします。
日和はもともと海上の天気や海上の晴天を指す語でした。
日和風は日和になる風のこと、その風が日和東風(ごち)で
海上の日和が回復するまで、漁師や航海者は港で日和待(ひよりまち)をしました。
日和待に相応しい山が日和山で、全国にこの呼び名の山が残っています。

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小春日和も冬の好天の日を言いますが
もともと「小春」は陰暦10月の異称なので11月が適当かもしれません。
冬晴は12月とか1月の厳寒のころの冴え渡った晴天を言います。
かと言って厳密な区別があるわけではなく、小春日和を含めて
冬日和と言っていいでしょう。
冬晴と冬日和はどう違うかという問題もありますが、それは感覚の問題で
季語として使うときなどは作者の自由ということになるかもしれません。
どちらかと言えば「冬晴」のほうが語感から言っても鋭い感覚のように思われます。
「秋晴」「冬晴」という熟語はありますが「春晴」「夏晴」とは言いません。
「寒晴」(かんばれ)もいい季語です。

天照や梅に椿に冬日和   鬼貫 「俳諧七車」
家一つ畠七枚冬日和  一茶 「亨和句帖」
冬晴の雲井はるかに田鶴まへり-- 杉田久女 「杉田久女句集」
冬晴や水上たかく又遠く  前田普羅 「飛騨紬」


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冬うらら・・・
昼下がりの陽射しのもとの日向ぼっこ。
かじかんでいた身体も心も、ちょっとだけ
ほっと一息つける時間。


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季節を愛でる色彩語

kunpu1_20110522162318.jpg

季節は春を過ぎ初夏。緑は日増しに濃くなっています。
濃色は山野を彩り、町を彩っていく。
田圃の色彩も街路樹の色彩も、様々な緑色がひたすら広がり
青葉、若葉で埋まる季節。
「あらたふと青葉若葉の日の光」(芭蕉)

春を色で例えれば緑色なのでしょうか。
その緑色は、最初は白っぽくなにやら弱々しかった。
次第に豊かな緑になり、夏に向かって更に濃色になる。
日陰すら緑色に感じるとき、入道雲が広がり、季節は夏。
「緑陰に憩ふは遠く行かんため」(山口波津女)

その情景は濃色の緑と青い空であり、輝く海である。
きっと夏の色は、限りなく青いにちがいない。

「初秋や海も青田も一みどり」と芭蕉が詠んだように
緑は夏から秋へ、ひたすら濃くなっていく。
それが命の喜びなのでしょう。

ikla000703.jpg

そして実りの秋は、緑が更に濃くなる季節。
実りが天地に溢れ、澄み切った大空に白雲が映えればそれこそが秋の姿。
その季節の色は、何色なのか。
詩人は白であるとする。白秋とは秋の形容であり
紅葉の華やかさも白に包み込まれる。白は定着し季節の色になった。
「秋白し笊(ざる)にほしたる西瓜(すいか)種子」(中 勘助)

季節の移ろいは、地球が太陽に対して傾いているためであると聞きます。
しかし、地球も太陽も丸いという。
どうすれば傾いているといえるのでしょうか。
摩訶不思議な思いがありますが、疑問を抱いても
季節は移ろい、時間は止まることがないのです。
科学的ではないとしても、季節の変化を色で語る詩人の声は、心に響く。
続きを読む

季節を愛でる色彩語

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季節は春を過ぎ初夏。緑は日増しに濃くなっています。
濃色は山野を彩り、町を彩っていく。
田圃の色彩も街路樹の色彩も、様々な緑色がひたすら広がり
青葉、若葉で埋まる季節。
「あらたふと青葉若葉の日の光」(芭蕉)

春を色で例えれば緑色なのでしょうか。
その緑色は、最初は白っぽくなにやら弱々しかった。
次第に豊かな緑になり、夏に向かって更に濃色になる。
日陰すら緑色に感じるとき、入道雲が広がり、季節は夏。
「緑陰に憩ふは遠く行かんため」(山口波津女)

その情景は濃色の緑と青い空であり、輝く海である。
きっと夏の色は、限りなく青いにちがいない。

「初秋や海も青田も一みどり」と芭蕉が詠んだように
緑は夏から秋へ、ひたすら濃くなっていく。
それが命の喜びなのでしょう。

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そして実りの秋は、緑が更に濃くなる季節。
実りが天地に溢れ、澄み切った大空に白雲が映えればそれこそが秋の姿。
その季節の色は、何色なのか。
詩人は白であるとする。白秋とは秋の形容であり
紅葉の華やかさも白に包み込まれる。白は定着し季節の色になった。
「秋白し笊(ざる)にほしたる西瓜(すいか)種子」(中 勘助)

季節の移ろいは、地球が太陽に対して傾いているためであると聞きます。
しかし、地球も太陽も丸いという。
どうすれば傾いているといえるのでしょうか。
摩訶不思議な思いがありますが、疑問を抱いても
季節は移ろい、時間は止まることがないのです。
科学的ではないとしても、季節の変化を色で語る詩人の声は、心に響く。
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春の眠り

ne000.jpg


春眠あかつきを覚えない

優しい季節のはずなのに

今年の春は ひとをゆさぶり

眠らせまいとする



平田俊子 「ゆれるな」 より抜粋

4月になり、桜も咲き始め、例年でしたら新しいスタートに心弾む季節ですが
被災地ではまだ多くの方々が寝食も行き届かない状況におられます。
眠れない日々は長引くほど辛く、精神までも不安定にしていきます。
眠りは明日を生きる上で欠かせません。
一人でも多くの方が一日も早く穏やかな眠りにつけることを
願わずにはいられません。
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春の眠り

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春眠あかつきを覚えない

優しい季節のはずなのに

今年の春は ひとをゆさぶり

眠らせまいとする



平田俊子 「ゆれるな」 より抜粋

4月になり、桜も咲き始め、例年でしたら新しいスタートに心弾む季節ですが
被災地ではまだ多くの方々が寝食も行き届かない状況におられます。
眠れない日々は長引くほど辛く、精神までも不安定にしていきます。
眠りは明日を生きる上で欠かせません。
一人でも多くの方が一日も早く穏やかな眠りにつけることを
願わずにはいられません。
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