月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

11月 霜月の暦

秋が深まり冬に移りゆく季節
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●霜月(しもつき)
十一月は旧暦で言えば冬、霜が降りると言うので
「霜月」と言うのが最も一般的な呼称です。
また十月が神無月であったのに対し十一月は神々が出雲から帰って来て
それぞれの神社に収まるという意味で「神帰月」「神楽月」などとも言います。

現在では十一月は晩秋、芸術的な香りのする気候であります。
まず「文化の日」があり、文化財保護強調週間、教育文化週間など、
文化の付く行事が多く、十五日には「七五三」があり微笑ましい光景があります。
寒に入る前の最も良い季節と言われています。

秋から冬にかけて心もしっとりする季節。
心が澄み渡るような空気感。
寒さとともに深まる紅葉が目に染み、そして紅葉が散るともう冬です。
立冬を迎え、暦の上では冬となります。
七五三や酉の市で華やぐ中、紅葉から落葉の季節となり
寒い地方には冬将軍が訪れます。
翌年の年賀はがきが発売され下旬には喪中欠礼状が届きはじめます。
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11月は全国的な秋晴れは比較的には多いのですが
別称「霜月」と言うように北の方から寒冷前線が下がってきて
局地的には天候が悪化したり
月中には霜が降りたりすることがあります。
そして立冬を過ぎると冬が駆け足でやって来ます。
健康上も家事の上でも冬支度の準備を怠りなくして置きましょう。 
11月は晩秋から初冬へと季節が移り変わります。
小春日和と呼ばれると呼ばれる暖かな日も訪れますが
立冬(11月7日頃)の頃には北西の季節風である木枯らし1号も吹き始めます。
暖房が欲しくなるのは、朝の最低気温で5~6℃が目安でしょう。
そろそろ暖房器具やコート等の冬支度が必要になってくる時期です。 

時候の挨拶
菊薫る候  晩秋の候  深秋の候  向寒の候  紅葉の候  暮秋の候
初霜の候  霜降の候  初冬の候  小春日和の好季  向寒のみぎり
向寒のおりから  朝晩めっきり寒くなって参りました
穏やかな小春日和が続いております  落ち葉舞う季節となりました
日増しに寒さが加わって参りました

季節:初冬(しょとう) ※立冬から大雪の前日まで。

他の別名
神楽月(かぐらづき) 子月(ねづき)
霜降月(しもふりづき)
雪待月(ゆきまちづき)
建子月(けんしげつ)
暢月(ちょうげつ) 達月(たつげつ)
復月(ふくげつ)
神帰月(かみきづき)
天正月(てんしょうづき)
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七十二候  時候  期間    季節の変化に伴う自然現象 

立冬・初冬 初候 11/7~1   ・山茶花の花が咲き始める頃 
初冬    次候 11/12~16  ・大地も凍り始める頃 
初冬    末候 11/17~21  ・水仙の花が咲き始める頃 
小雪・初冬 初候 11/22~26  ・虹もかからなくなる頃 

11月ともなれば、さすがに朝夕は随分冷たいものです。
街路樹の紅葉も美しく、風もないのにはらはらと落葉し
かさこそ乾いた音を立てるのも晩秋の風情ですね。

▪ 立冬の初候、山茶始開(つばきはじめてひらく)
「柴垣を透く日も冬に入りけり」 久保田万太郎
「朝な朝な粥食ふ冬となりにけり」 正岡子規
「山茶花のこゝを書斎と定めたり」 正岡子規

サザンカの花が咲き始める時節。
ここで山茶をつばきと読んでいますがサザンカのことを意味します。
サザンカは朝夕の冷たい空気に誘われるように咲き始め
冬のさなかにも咲き続けます。

▪ 立冬の次候、地始凍(ちはじめてこおる)
大地も凍り始める時節です。
この頃には日も雲も庭も凍りついているように思える日があります。
「凍てきびしかりし名残のある庭に」 稲畑汀子
「里人はしみるといひぬ凍きびし」 高濱虚子
凍るとは水以外のものがこおることをさし
水がこおるのは、氷ると書きます。

▪ 立冬の末候、金盞香(きんせんかさく)
金盞とは、黄金の杯のことで水仙の異名。花央の部分を杯に例えています。
香として、咲くことを意味しているのは水仙の香りをあらわしています。
また冬の寒さの中すっと茎を伸ばした凛とした姿が好ましいものです。

「水仙にさはらぬ雲の高さ哉」 正岡子規
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11月は、1年のうちで最も変化のある月です。
初旬はまだ青空高く秋晴れの好天気が続きますが
立冬を過ぎると、朝晩の気温が下がり寒さを感じるようになります。
中旬には霜が降りはじめ、山野や街路樹の木々が
華やかな黄葉や紅葉の色彩りを濃くしていきます。
下旬は落葉が舞い、初雪の便りも聞かれ
寒い冬の到来が近いことを知らせます。
11月は日本の風土を象徴する月ともいえます。

11月は霜月(しもつき)といいます。
霜月について、平安末期の歌人・藤原清輔(ふじわらのきよすけ)は
『奥儀抄(おうぎしょう)』で、「十一月(しもつき)、
霜しきりに降るゆえに霜降月(しもふりつき)といふを誤(あやま)れり」と
多く霜が降る月が誤って霜月になったと記しております。
11月の霜月説はこの藤原清輔の解釈がほぼ定説になっており
異説はあまりありませんが、陽光が弱まり
ものが「凋(しぼ)む月」、が霜月に転訛したとする説があります。

月の別名としては、冬籠りをする前の雪を待つ「雪待月(ゆきまちづき)」、
雪を見る「雪見月(ゆきみづき)」。
10月に出雲に出向いた神々が帰るので「神帰月(かみきづき)」。
収穫感謝と来年の豊作を願う里神楽が各地で催される「神楽月(かぐらづき)」。
昔の歌舞伎役者は芝居小屋と1年契約で、旧暦11月の興行で
華やかにお披露目するところから「顔見世月(かおみせづき)」。
旧暦11月を「子(ね=ねずみ)の月」とも呼び
子の月1日は芝居の世界では元日でした。
ほかに暢月(ちょうげつ)、建子月(けんしづき)、などがあります。
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11月は収穫への感謝と来年の豊作予祝の神楽や
関東でとくに盛んな酉の市、全国規模の七五三の宮参りなどを眼にします。
宮中では最も重儀とされる新嘗祭(にいなめさい)
その前日には秘儀・鎮魂祭などがあります。

酉の市は本来、酉待(とりまち)と云いました。
まちは祭りを意味する古語で、「とりのまつり」の転訛したものです。
大阪の大鳥神社から関東に勧請された鷲(おおとり=大鳥)神社系で
11月の酉の日に行なわれる祭礼です。
酉の日は12日に一度巡ってきます。
たいていは月に二回ですが、一の酉が月初めにあると
二の酉、三の酉まであります。三の酉まである年は活気がありすぎて
火事が多いという俗説があります。

■秋の暮 
“春はあけぼの”と書いた清少納言が“秋は夕暮”と讃えています。 
「夕日が射して山の端に沈もうとしている頃、夕焼けを背景にした烏が
ねぐらに帰ろうとして三羽四羽、あるいは二羽が
思い思いに連れだって急ぐのも感慨深い。まして雁などが列になって
小さく見えたりするのは興趣がそそられる」と書いていますが
人生をこの季節に重ねて思うひととき、多くの人が詩人になるようです。
 「この道や行く人なしに秋の暮」 芭蕉

寒さとともに深まる紅葉が目に染み、そして紅葉が散るともう冬です。
立冬を迎え、暦の上では冬となります。
11月ともなれば、さすがに朝夕は随分冷たいものです。
街路樹の紅葉も美しく、風もないのにはらはらと落葉し
かさこそ乾いた音を立てるのも晩秋の風情。

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文化の日
11月3日。「自由と平和を愛し、文化を薦める」ことを趣旨とした国民の祝日。
1946年に日本国憲法が公布された日で、日本国憲法が平和と文化を
重視しているということでから「文化の日」に定められました。 
※日本国憲法は半年後の1947年5月3日(憲法記念日)に施行されました。
この日皇居では文化勲章の授与式が行われます。

立冬(りっとう)
二十四節気の一つで十一月七、八日頃にあたり
「冬に入る最初の日」を意味します。実際にはまだ秋の気配が残っており
朝夕の冷え込みで、冬が真近に来ていると感じられる頃です。

小春日和(こはるびより)
立冬を過ぎて、景色も日増しに冬めいてくる中で
ぽっかりと春を思わせる陽気になることがあります。これを「小春日和」といい
アメリカでは「インディアンサマー」、ドイツでは「老夫婦の夏」と呼んでいます。

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山茶花梅雨(さざんかつゆ)
立冬を過ぎる頃に降り続く雨を「山茶花梅雨」と呼びます。
秋と冬の境目の季節で、ちょうど山茶花の真っ赤な花が
つぼみを開き始める頃に降る雨です。梅雨と言っても、それほど長く降り続くことはなく
春の「菜種梅雨」(なたねづゆ)に対してつけられた、冬を告げる雨と言われています。

七五三
「七五三」のしきたりが定着したのは、江戸時代に入ってからと言われ
起こりは明らかに農村における氏神信仰にあると言われています。
子供が生まれると、無事に成長するようにと祈願するために神社に参拝しました。
これを「御宮参り」と言います。 三歳になるとこれまで紐(ひも)を付けて
結んでおかなければならなかった着物の
それを取り外すことができるようになったことや
髪が束ねることが出来るほどに伸びたことなどからこれまでの成長の感謝と
今後への祈願のためにお参りをしました。

五歳になると、それまで区別のなかった着物が、男の子用、女の子用と
着せてもらえるようになりました。それを祝って、女の子は着飾り
男の子は裃(かみしも)を着け、袴をはいて氏神に詣でました。

七歳になると、女の子は子供っぽい帯をやめ、帯も着物も女性らしい物にし
男の子は一族の長老に晴れ着を着せてもらい、帯も新しくし
氏神詣での後、祝宴を開きました。こうして男女とも七歳になると
正式に氏神の氏子となり、社会人候補として認められました。
日本の氏神の祭日は、収穫祭としての意味も兼ねて11月に行われることが多く
旧暦の15日は満月でおめでたいとされ、11月15日に
七五三が行われるようになったと言われています。
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11月に欠かせない年中行事が
7歳5歳3歳の成長を祝う七五三の社寺詣で風景。
晴着をきて長寿の象徴の鶴亀で彩色された千歳飴を手にする子どもの姿を
現在では全国で見られますが、これも元は関東地方の風習でした。

男子が3歳と5歳、女子は3歳と7歳の年の11月15日に祝います。
本来は数え年でしたが、現在は満年齢が主流のようです。
3歳でそれまで剃っていた髪を伸ばす「髪置(かみおき)」。
子供が白髪になるまで長生きするようにと
白髪に見立てた綿帽子を頭に被せます。
長寿のひとが頭の綿を載せる髪置親を務めます。
5歳が冠を着け、初めて袴をはく「袴着(はかまぎ)」。
袴の腰紐を結ぶ役が袴親で冠をかぶせるのが冠親。
どちらの役も地位の高いひとが務め
とくに冠親は生涯にわたっての後見人と見なされました。
冠を着け“勝負の場”の碁盤の上で吉方を向き
四方を制するための神を拝む儀式も行われました。
7歳が帯解(おびとき)。女子は紐付きの着物から本仕立ての着物と
丸帯の大人の装いになります。この儀式で帯を贈った女性は生涯
母親代わりになると言われます。
7歳になると産土社の氏子として認められました。

それまでの公家や武家社会の儀式は、5代将軍綱吉が行った
子の徳松の祝儀が現在の七五三の由来とされ、江戸中期以降に広まり
明治・大正の頃からさらに盛んになります。

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勤労感謝の日
(11月23日)
「勤労を尊び、生産の豊かなことを祝い
国民が互いに感謝しあう日」と言う趣旨により昭和二十三年に制定されました。
もともとこの日は「新嘗祭」(にいなめさい)と呼ばれる祝祭日で
その年の新穀を天皇が宮中で神殿に供え、感謝するという儀式でしたが
国内の神社もこれに習い民間でも農耕儀礼の一つとして重要な祭日とされました。
昔は、新嘗祭は十一月の卯の日に行われていましたが
太陽暦を取り入れてから二十三日なりました。

新嘗祭(にいなめさい)】
「しんじょうさい」とも呼びます。
11月23日(明治5年の改暦以前は11月の第2の卯の日)に天皇が行う収穫祭。
その年に収穫した新穀(主に米)を天地の神に供え
農作物に感謝し自らも食する儀式です。
飛鳥時代の皇極天皇以前から行われていました。
平安末期には衰え中絶していましたが、江戸時代東山天皇のときに復活しました。
元々は民間で広く行われていた行事だったようです。
人々が、その年の収穫を祝い、感謝したお祭だったのでしょうね。
古代に国家が統一されて、祭儀が天皇を中心とする宮中行事へ集約されたため
この新嘗祭も宮中の儀式のひとつになったようです。

小雪(しょうせつ)
11月23日頃(2012年は11月22日)。および大雪までの期間。
太陽黄径240度。立冬から数えて15日目頃。 
二十四節気のひとつで、十一月の二十二日頃にあたります。
この頃は冬の気配もやや進んで、ときには雪もちらつき
また、晴れの日と曇りの日が定まらないという気候になりがちです。
「小雪」に対し、激しく雪が 降る頃、すなわち十二月八日頃を「大雪」と言います。
北国から雪の便りが届く頃ですが、まだ本格的な冬の訪れではありません。
雪といってもさほど多くないことから、小雪といわれたものだそうです。
陽射しが弱くなり、紅葉が散り始める頃。いちょうや柑橘類は黄色く色づいてきます。
次第に冷え込みが厳しくなってきますので冬の備えは整えておきましょう。
お歳暮の準備をする目安にも。

気象の「小雪」
気象庁の予報用語における「小雪(こゆき)」は
数時間降り続いても、1時間あたりの降水量が1mmに満たない雪のこと。
※北日本や日本海側の地方で「小雪」の表現が適切でないときは
「雪」の表現を用いるそうです。
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十日夜「とおかんや」または「とおかや」
十日夜とは旧暦10月10日に行われる収穫祭で、東日本を中心に行われています。
西日本では旧暦10月亥の子の日や11月に、類似する収穫の行事があります。
その内容は地方によっても違いがあります。稲刈りが終わって田の神様が
山に帰る日とされているため、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたり
稲の茎をたばねた「わらづと 」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら
唱えごとをして地面の神を励まし、作物にいたずらをする
モグラを追い払ったりします。また「かかしあげ」といって
田んぼを見守ってくれたかかしにお供えものをして
かかしにお月見をさせてあげる地方もあります。
十日夜はお月見がメインではないため、月齢に関係なく
新暦の11月10日に祭りを実施する地方が多いようです。

[酉の市
旧暦11月の酉の日に、各地の鷲(おおとり)神社、大鳥神社で行われる祭礼です。
(現在は新暦で行われている)鷲神社の本社は大阪府の堺市にあります。
わが国の古代伝説によれば、日本武尊(やまとたけるのみこと)は
死して白鳥に化した。
その化身の地に建てられたのが鷲神社だと言います。
酉の市では、おかめの面、宝船、大判、小判などで飾り立てた熊手が売られます。
この熊手を用いて福を掻き入れ、取り(鳥)こもうという語呂合わせによるもので
商売繁盛を期待する縁起物となっています。
酉の市は順に一の酉、二の酉、三の酉と呼ばれ
三の酉まである年は火事が多いと云われています。
これは鶏の鶏冠(とさか)が赤いことからの連想で
三の酉は二年に1回ほど回って来ます。

酉の市は本来、酉待(とりまち)と云いました。
まちは祭りを意味する古語で、「とりのまつり」の転訛したものです。
大阪の大鳥神社から関東に勧請された鷲(おおとり=大鳥)神社系で
11月の酉の日に行なわれる祭礼です。酉の日は12日に一度巡ってきます。
たいていは月に二回ですが、一の酉が月初めにあると
二の酉、三の酉まであります。三の酉まである年は活気がありすぎて
火事が多いという俗説があります。

※冬は、立冬から (暦上の冬)
「冬ごもり」というように冬は万物が成長をとめエネルギーを内に蓄える季節。
動物や昆虫たちは土の下で眠り木々は葉を落として根に養分を蓄えます。
冬でもせっせと夜中まで働いているのは人間だけかもしれません。
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●『露隠葉月』(つゆごもりのはづき)
露は秋に一番よく見られ、秋という季節を象徴する風物でもありました。   
旧暦11月は、初冬にあたります。   
このころになると葉にかかる露も姿を消してしまいます。  
凍って霜になるからです。

ちなみに「露見草(つゆみぐさ)」は薄(すすき)
「露取草(つゆとりぐさ)」は里芋(さといも)
「露湛草(つゆたえぐさ)」や「露玉草(つゆたまぐさ)」は蓮(はす)の異称。  
どれも、葉に置いた露が美しく映える草花です。

・・・紅葉にまつわる言葉・・・

◆錦秋(きんしゅう)・・・紅葉が鮮やかな織物のような美しさを見せる秋のこと。
◆紅葉狩り(もみじがり)・・・山などに出かけ、紅葉の美しさを楽しむこと。
◆山装う(やまよそおう)・・・秋の山が紅葉によって美しく色づく様子。
◆初紅葉(はつもみじ)・・・初めて目にする色づいた紅葉。
◆照葉(てりは)・・・秋の陽ざしを受けて、照り輝く紅葉のこと。
または照葉樹の葉が紅葉する様子。
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紅葉狩り
紅葉を鑑賞する習慣は、奈良時代から始まったといわれ
「万葉集」にも登場しています。平安時代の頃には貴族の間で広まり
紅葉を愛でながら宴を開いていたようで
その様子は「源氏物語」にも描かれています。
その後、江戸時代には庶民も楽しむようになり
季節の行事として定着していきました。

紅葉を鑑賞するのに「紅葉狩り」というのはどうしてでしょう。
「狩る」とは獣を捕まえるということですが
花や草木を探し求めるという意味もあるそうで
果物を採る場合にも使われます。「いちご狩り」や「ぶどう狩り」と言いますね。
採集するわけでもなく、紅葉を鑑賞するのに「紅葉狩り」というのは
狩猟を好まない貴族が自然を鑑賞するすることを狩りに例えたといわれていますが
定かではありません。春の桜は「花見」といい桜狩りとは言いませんよね。
やはり狩猟のシーズンの秋だから「狩り」という言葉を用いたのでしょうか。
また、当初、紅葉を集めて楽しんでいたのが
眺めることに変わっていったという説もあります。

beaujolais nouveau (ボジョレー・ヌーボー)
11月の第3週といえば、ボジョレー・ヌーボー解禁日。ワイン愛好家にとって
一年のうちで最も待ち遠しいイベントの一つといえるのではないでしょうか。
時差の関係により、先進国の中ではフランスに先駆けて
日本が最も早い解禁を迎えますが、お祭りめいたムードの中
午前零時から販売を開始するお店やレストランもあるようです。
近年のワインブームも手伝って日本でも知られる存在となり
いまや秋の風物詩ともいえる光景です。
さて「ボジョレー(Beaujolais)」とはフランス南東部に位置する土地
「ヌーボー(nouveau)」とはフランス語で「新しい」という意味で
その年に獲れたぶどうで作る新酒を指します。
つまり「ボジョレー・ヌーボー」はボジョレー地方の新酒という意味。
wikipediaによると、そもそもの由来は
「当地の農民が収穫を祝ったのが始まり」とあり
また解禁日が設けられた背景には、各メーカーがよく売れるヌーボーを
いち早く出荷しようと競い合うあまり、まだ出来上がっていないワインが
出回るようになってしまったという経緯があったようです。
リーズナブルで、ワイン初心者にも飲みやすいボジョレー・ヌーボー。
渋みが少ないため冷やしていただくのがおいしい飲み方だそうで
また期間を置いて熟成させるよりも
生産された年のうちに飲み切るのがベターなのだとか。
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「霜消し」という言葉があります。
これは霜が降る夜の寒さを消すほど暖まるということから
お酒を飲むことをいいます。

霜が降りるほどの朝晩の冷え込みは骨身にこたえるもの。
特に、暖房が十分でなかった時代ではなおさらだったことでしょう。
江戸時代末期の歳時記では「旅人などの朝酒をいう」とあります。
当時の旅人は早朝に発ちますから、最も冷え込む時間。
少しからだを温めてから出発したのでしょう。
のん兵衛さんたちが口実に使った言葉ではないかという気もしますが
それでも、霜夜のしみじみとした風情が感じられて
味わいのある言葉ではないでしょうか。 
冷え込んだ夜「霜消しに一杯どうですか」などと勧められると
つい「それでは…」となりそうです。

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朝夕の冷え込みが厳しくなり日中でも
上着なしで過ごすのは少し辛くなってくる時期。
寒い北風が吹き始めたり、急激な冷え込みが襲ってきたりすると
体調を崩される方も増えてきます。
風邪の予防には「お茶でうがい」を実行しましょう。
お茶に含まれているカテキンには殺菌効果がありますので
外出から帰ったらすぐにうがいをする習慣を。

それでも風邪をひいてしまったら、薬に頼る前に
古くから伝わる民間療法を試してみてはいかがでしょう。
卵酒やショウガ湯などの他、角切りにした大根をはちみつ漬けにして
上澄みをお湯で溶いて飲む大根あめも効果的です。
とにかく「風邪かな?」と思ったら栄養のあるものをたっぷり摂って
暖かくして睡眠を充分に取ることが第一です。

十月・神無月の暦

神無月(かんなづき/かみなづき)

旧暦10月を「神無月(カンナヅキ)」と言うのは、日本中の神様が
縁結びの相談のため出雲の国(島根県)に集まり
他の国には神様が不在となるからだそうです。
神様が集まる出雲の国では、10月は神在月(カミアリヅキ)と呼ばれます。
実際には10月は伊勢神宮の神嘗祭(カンナメサイ)を始め
全国各地で神社の秋祭りが盛んに行なわれています。
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この月、古くから、日本の神々が島根県の出雲大社に集まる
と信じられていましたので、出雲の国は「神在月」(かみありづき)
その他の神社では神々がいなくなってしまうと言うことから「神無月」
または「神去月」(かみ さりづき)と言われました。
この「神無月」が最も一般的な名称とされていますが「鎮祭月」「鏡祭月」など
神々に縁のある呼び名もつけられました。
また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。

神無月(かんなづき/かみなづき)、神去月(かみさりづき)
神有月/神在月(かみありづき)、醸成月(かみなんづき)
神嘗月(かんなめづき)、鏡祭月(きょうさいげつ)
鎮祭月(ちんさいづき)、雷無月(かみなかりづき)、孟冬(もうとう)
初冬(しょとう)、早冬(そうとう)、開冬(かいとう)、上冬(じょうとう)
新冬(しんとう)、亥冬(がいとう)、建亥月(けんがいげつ)、方冬(ほうとう)
立冬(りっとう)、霜先(しもさき)、初霜月(はつしもづき)、定星(ていせい)
小六月(ころくがつ)、小春(しょうしゅん/こはる)/小春月(こはるづき)
小陽春(しょうしょうしゅん)、時雨月(しぐれづき)、木の葉月(このはづき)
御忌(おいみ)、応鐘/応章(おうしょう)、陽月(ようげつ)
極陽(きょくよう)、坤月(こんげつ)、正陰月(せいいんづき)
大月(たいげつ)、大素(たいそ)、吉月(きつげつ)、良月(りょうげつ) など
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「神無月」の語源として以下のような説がありますが
いずれにしても「神無」は宛字としています。
醸成月(かみなんづき): 新穀で新酒を醸す月 
神嘗月(かんなめづき): 新嘗(にいなめ)の準備をする月 
神な月(かみなづき):「神の月」の意 
雷無月(かみなしづき):雷のない月 

一般には、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため
出雲以外には神様が居なくなる月の意味と言われており
出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれますが
ただしこれは中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた説であり
「神無」の宛字から生まれた附会であるようです。
無というのは水無月と同じく「の」で「神の月」という事だそうです。
出雲では神在月と呼ばれているそうです。

「神在月」は、室町時代の辞書『下学集』にみられるので
かなり古くからこういう話が人々の間にはあったことがわかりますが
『徒然草』の第二〇二段に「十月を神無月と言ひて、
神事にはばかるべきよしは、記したるものなし。
もと文も見えず。但し、当月、諸社の祭なき故に、この名あるか。
この月、万の神達、太神宮(だいじんぐう・伊勢の皇大神宮)へ
集まり給うふなどいふ説あれども、その本説なし。
さる事ならば、伊勢にはことに祭月とすべきに、その例もなし。
十月、諸社の行幸、その例も多し。但し、多くは不吉の例なり。」
(十月を神無月と言って神事を控えるというのは、根拠も出典もない。
十月にお祭りがないから、神無月というのだろうか。
十月は神様たちが伊勢神宮に集まるという説もあるけれど
それも根拠がない。そうであるなら10月に伊勢神宮で
祭祀が行われてもよいはずなのに、そうでもない。
しかし、十月にはミカドが伊勢に行幸されることも多いが
だいたいは不幸がらみである。)

吉田兼好は、この時代、神無月には伊勢神宮に神々が集まるという
話があったことを伝えていますが、出雲には触れていません。
出雲大社の大国主大神は、古くから
「だいこくさま」の俗称で慕われていましたが
特に中世の末頃より交通手段の発達や生活の向上につれ、民衆の間に
「出雲大社参拝」が急速に広まっていきました。
この頃に出雲大社からも社家の人々が御師(オシ)として
「大国主大神」の神徳を説き御神札を授付しながら諸国を巡って
全国に「神在月」を広めたのだという説があります。

また、十月は縁起の良い月と考えられ
「吉月」「良月」「陽月」「大月」とも名づけられました。
旧暦の「神無月」は、冬の初月とされていますが、暖かい日も多いことから
「小春」(しょうしゅん)、「小陽春」、「極陽」など穏やかな名もつけられました。
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10月は雷の鳴らなくなる月から「雷無月(かみなづき)」と言うのは
江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説です。
雷の発生を名古屋気象台調べますと、7~9月がピークで
10月より極端に少なくなり1月が最少となっています。
この統計から見ると「雷無月」もうなずけます。
しかし北陸、金沢気象台では夏より冬場の方が多く雷が発生しています。

十月の別名で一番有名なのが神無月です。
一般には、日本全国の神様が毎年10月に出雲国に集まるので
神様が留守になるから「神無月」で、出雲国だけが「神在月」といわれていますが
神無月の無は「の」を意味する格助詞「な」で神を祭る「神の月」、
新穀で新酒を醸す月であることから醸成月(かみなんづき)、
新嘗(にいなめ)の準備をする月であることから神嘗月(かんなめづき)など
一年の収穫を神様に感謝する月というのが本来のようです。
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秋の深まりを感じる爽やかな季節。
四季のうつろいが美しい日本では季節ごとに楽しむ習慣やならわしがあります。
あらためて楽しむことで毎日を丁寧に暮らすことの意味が見えてきます。 

お米や野菜・果物の多くが実りの時期を迎える10月。
カラッと晴れる日が多い一方、一雨ごとに気温が下がると感じられることから
一雨一度ともいわれる時期でもあります。

■一雨一度(ひとあめいちど)
冬から春への気候変化を「三寒四温」と言いますが
秋から冬にかけては「一雨一度」と言い、ひと雨降るごとに
1度ずつ気温が下がって、秋が深まることを表します。
低気圧が通過する時に雨が降り、その後気温が下がるためで
ひと雨降るごとに寒さが増し、野山に紅葉が始まります。

●寒露(かんろ)
二十四節気の一つで、十月の八日頃にあたります。
朝露を踏むと冷ややかさを感じ
次第に秋が深まっていくのを感じる季節として名付けられました。
この頃から山々の樹々の葉も寒露にあたり、紅葉し始めると言われてきました。

●霜降(そうこう)
二十四節気の一つで10月23日ごろ。この日から立冬までの期間。
太陽黄系が210度のときで、露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼びます。

●秋晴れ
夏の猛暑が過ぎ、すがすがしく晴れわたった空を「秋晴れ」と言います。
「天高く馬肥ゆる秋」と言う言葉もあるように
春の「五月晴れ」とは、また違った気持ちよさがあると言われています。
一方「女心と秋の空」とも言うように、変わりやすい天気とあって
観測上「秋晴れ」の日は、意外に少ないとも言われています。
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●衣替え
日本では6月と10月に衣替えが行われることが多いです。
あくまでも習慣なので強制的に替えなければならないという訳ではありませんが
学校においては強制的に替えなければなりません。
10月1日の衣替えは夏服から冬服へとかわる日。
平安時代には天皇や公家社会で行われていた習慣で
江戸時代ごろから衣替えは6月1日と10月1日に行われるようになり
太陽暦採用後は、官公庁・企業・学校で旧暦の日付」をそのまま新暦に移行して
6月1日と10月1日に行われるようになりました。

江戸時代以前の衣替えは、四月一日から袷(あわせ)を着用し
五月五日から帷衣(かたびら)を、八月十五日から生絹(すずし)を
九月九日から綿入を、十月一日から練衣を、それぞれ着用すると定められていました。
その後、時代の流れとともに四月一日と十月一日の年二回が
衣替えとされるようになりました。

■秋祭りの由来
澄んだ空の下で秋祭りのお囃子(オハヤシ)や
太鼓の音が聞こえると、胸がはやるものです。
秋祭りは、豊かに実った農作物の収穫に感謝し
神様にお供えを捧げる祭事です。
地域の氏神のご神徳を讃え、五穀豊穣・無病息災・家内安全を
祈る祭りとして発展し
神輿(ミコシ)の渡御(トギョ:お出ましのこと)や奉納太鼓、
獅子舞などが賑やかに行なわれ、地域の親睦を深めます。  

■神輿(ミコシ)
神輿(ミコシ)は神様の乗り物で、威勢のいい掛け声とともに
練り歩く神輿かつぎは、祭りの主役です。
祭りの日、神様は神輿にうつされて、氏子に担がれて氏子区域をまわるのですが
神輿をかつぐと魔が払われるとされています。
また、上下に「ワッショイ、ワッショイ」と振り動かすのは
「神輿振り」と言い、神の霊力をまき散らす動作と言われています。
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■錦秋(キンシュウ)
山々が華やかに色づき始める晩秋を、錦織(ニシキオリ)のように美しい秋
「錦秋(キンシュウ)」と言います。深紅から朱赤、橙色、黄色と
さまざまな色に染まる秋の紅葉の美しさを
豪華で美しい織物に見立てたことから来ています。
色鮮やかな美しい織物や衣服を表す言葉、
「錦繍(キンシュウ)」を用いる場合もあります。
 
■紅葉狩り
明け方の最低気温が8~9度以下になった頃、カエデやモミジ類の葉が紅葉し始め
標高の高い山の方から里の方へ色鮮やかに染まってきます。
紅葉を求めて、里から野山に分け入ることを「紅葉狩り(モミジガリ)」と言います。
「狩る」という言葉にはもともと、果物を取る
草木を眺めるという意味があるそうです。

●紅葉(もみじ)
秋も深まってくると、緑色であった草木が、露や、湿気を含んだ寒気にあたり
赤、黄、褐色などに変化します。このことを古語では「もみつ」「もみず」と言い
これが名詞化され「もみじ」になりました。
色よく染まった草木すべてを「紅葉」と言いますが、最も一般的になったのが
「楓」(かえで)の葉で、次第に「もみじ」として親しまれるようになりました。
京都の「嵐山」、大和の「龍田川」のほとり等に、この「楓」を植林し
美しい「紅葉」の名所が生まれました。また、見事な紅葉の群生する
深山幽谷の山々に、猟師が獲物を追って向かうことを「紅葉狩り」と言いました。
「紅葉狩り」は、どこまでも自然美を追っていきたいとする日本人の心情に合い
能や歌舞伎、長唄などでも演じられるようになりました。
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●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。
この頃には日中は暖かいのに夜になると寒くなります。
また、この秋の半ばから末にかけての寒さを「漸寒(ややさむ)」といい
この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという意味になります。
また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが「そぞろ寒(そぞろさむ)」。
さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定できない寒さを
「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた接頭語で
「うすら寒い」という感じの言葉です。
どれも深まる秋の寒さを表しています。  

◆10月の暮らし 
運動会/紅葉狩り/ 秋祭り 
栗ご飯/読書/いわし雲/スポーツ  
菊人形/新米/秋の七草/月待ち 

◆10月の花   
秋桜(コスモス)/金木犀(キンモクセイ)/あざみ/けいとう
りんどう/マリーゴールド/白詰草(しろつめくさ) 
  
◆旬の食材 
かぼちゃ/しめじ/くわい/松茸/栗/柿  
鰆(さわら)/鰹(かつお)/秋刀魚(さんま)

◆時候の挨拶 
秋涼の候  清秋の候  秋雨の候  寒露の候  秋晴の候  
紅葉の候  錦秋の候 秋冷の候  菊薫る頃  秋たけなわの頃  
清秋のみぎり  日増しに秋も深まり  
稲も豊かに実り 秋色もようやく濃くなって参りました
秋の味覚が楽しみな季節になりました 
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520613f9.jpg22023年の中秋の名月は9月29日
「中秋の名月」とは太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。
2023年の中秋の名月の日(十五夜)は9月29日で満月と同じ日付になります。

「2023年10月27日 十三夜(後の月)」
旧暦の9月13日の夜(十三夜)に見える月を「後(のち)の月」と呼び
2023年は10月27日がその日にあたります。

旧暦8月15日の「中秋の名月(十五夜の月)」を眺める風習は
中国から伝わったものですが、十三夜の月を愛でる風習は日本で生まれたものです。
これは、延喜十九年(919年)に寛平法皇が月見の宴を開き
十三夜の月を称賛したことが由来のひとつとされています。

里芋をお供えすることから「芋名月」と呼ばれる中秋の名月に対し
後の月ではこの頃に収穫される栗や枝豆をお供えすることから
「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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片月見の禁忌は遊里の営業戦略? 
江戸では片月見は「片付見」に通じるとして忌まれたとか。
中秋の月見を自宅以外で眺めると、片月見とならないように
後の月見も中秋の月見をした場所に出かけていって眺めないといけない。
この慣習は江戸の遊里、吉原の客寄せの一環として生まれたという説があります。
中秋の名月の日を吉原で遊べば、片月見を避けるためには
必然的に後の月の日も登楼しなければならないようになると言うわけです。

これだけが本当に片月見の禁忌の原因かは疑わしいところもありますが
その影響もきっとあったろうとは考えられます。
吉原ではどちらの月見の日も「紋日」という特別な日とされ
客達はいつも以上に気前のよいところを見せるために散財したとか。
そのためでしょうか…

月宮殿へ二度のぼるいたい事 
といういう川柳も残っています。ちなみに「月宮殿」は吉原の別名。
見栄を張る客達の懐は大分「痛い事」がよくわかります。
十五夜の日に月見を楽しめるのがベストですが
天候によってはかなわないこともあるでしょう。
もともと十五夜は雨の日が多いといわれます。
そんなときは、十三夜や十日夜に月見をしませんか?
十三夜の月 
2023年 10/27  
2024年 10/15  
2025年 11/2  
2026年 10/23

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520613f9.jpg2月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

『月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月』(詠み人しらず)
この歌は、もともと中秋の名月(陰暦の八月十五日)に
宮中で女官たちによって唄われたもので
歌の作者は不詳ですが、昔は芋に箸で穴を開け
その穴から月を覗いてこの歌を詠まれるしきたりがあったそうです。
「月見る月」といえばやはりこの季節
旧暦8月(新暦の9月~10月ごろ)に勝るものはないでしょう。

その日の天候が悪くて十五夜が見れない場合にも
ユニークな名月の呼び名があります。
曇りでよく見えないときは「中秋無月(ちゅうしゅうむげつ)」と呼び
雨天で全く見えないときは、「雨月(うげつ)」
あるいは「雨名月(あめめいげつ)」と呼んで
中秋の名月の呼び名を変えて行事を行なっていたようです。

旧暦9月13日の夜に十三夜というお月見があります。
この十三夜は、十五夜とセットでお祝いすることが良しとされており
どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」などとして
忌むこととされていました。

十五夜は中国をはじめとする台湾や韓国などでも見られますが
この十三夜は日本だけのものなんだとか。
十三夜の別名は「栗名月」「豆名月」で
こちらは栗や枝豆が旬のためお供物にされるからなのです。
ちなみに、十三夜のお月見を最初に行ったのは
平安時代の後醍醐天皇だという説があります。

中秋の名月の月日
2023年の十五夜:9月29日(金)
2024年の十五夜:9月17日(火)
2025年の十五夜:10月6日(月)

十日夜(とおかんや)とは
十日夜は東日本を中心に行われている収穫祭です。
稲の収穫を祝って餅つきをしたり、稲の茎をたばねた「わらづと」や
「わら鉄砲」で地面の神を励まして作物に悪さをするモグラを追い払うなど
地方によって内容はさまざまです。
2023年11月22日(水)
2024年11月10日(日)
2025年11月29日(土)

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神を宿すすすきと月の象徴としてお月見団子や里芋
栗や柿に芋などを備え
秋の収穫に感謝の祈りを捧げる十五夜の日と重なり
実りのエネルギーがいつもより充満した満月。

元来「お月見」は、月は満ちては欠け、欠けては満ちを繰り返すことから
「ものごとの結果に感謝するお祝い」として
また月からは生命を連想されることから
「祖先の霊を偲ぶ」といった意味合いをもち
ひいては、ここから「収穫を祝う」日となっていったといわれます。
十五夜はあまりすっきりしない夜空であることが多いのに対し
十三夜の夜は晴れることが多いようで
「十三夜に曇り無し」という言葉もあります。

月見をただのイベントと捉えず
自然環境の力で、美味しい農作物などの食物を
食べさせてもらっているという感謝の気持ちをお供え物にして
お月様に供えてみたら、おおらかで感謝の気持ちを忘れない
昔の日本人のあり様を思い出せるかもしれません。

暑気がひき、空気が澄みわたった秋の夜長。
すすきの穂が空をなでるころ、ひときわ美しさが冴えわたる「月」
あなたなら、秋宵の月をどう愛でますか? 
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秋の収穫を祝うお月見の室礼 ( しつらえ )
 
お月見の供え物は地方によってさまざまですが
一般に、月見団子のほか、里いも・柿・栗・豆などの収穫物、
すすき・萩・ききょうなどの秋の七草などを並べて月をまつっていました。
そこには、中国から伝わった風習に日本の秋の習慣が混じり合っています。
月見団子は、中国で供えられていた月餅
(くるみなどを入れた餡入りの焼き菓子)の代わりに供えられたもの。
江戸時代は、野球ボール程の大きな団子で、十五夜の名にちなんで
15個を三方に積み上げていたといわれます。

秋の七草の一つであるススキは、江戸時代は暮らしの中で
身近によく利用されていた資源であると同時に
霊力があるとされる植物でした。
また、供え物の中で特筆すべきは里いもの存在です。
折しも中秋の名月の頃は里いもの収穫期。里いもは日本人が
米を主食にする前まで、主食の座にあった食物です。
古くは収穫されたばかりの里いもを中秋の名月に供えたことから
地方によっては「芋名月」ともいわれるようになりました。
大陸から伝わった中秋の名月の風習は、わが国に以前からあった
秋の豊作を祈願する初穂祭りと結びつき
農耕行事としての意味合いも強まったわけです。

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一年の中で一番月の力が強まるとされる十五夜。
特に今年は十五夜に加えて、牡羊座の満月でもあります。
牡羊座は自分自身を大切にすることを教えてくれる星座。
ブランクタイムで自分の本質と向き合ってきた人は
ここでもさらに宿運の輝きが強調されるでしょう。

引き寄せ力が強まる十五夜、月のチカラが更に強まる満月。
自分の軸、願い、進みたい道を明確にして
前に進むあなたを力強く、背中を押してバックアップしてくれるでしょう。
願いの実現に向けて変化・変容の時。
クライマックスの波に乗って、満月の夜は最高の実りを受け取りたいですね。

あなたの上半期を見直し、満月の形のように完成された
自分自身の成果の収穫祭を意識的にしてみませんか。
目を瞑り、深い呼吸と共に。満月のパワーを取り込みましょう。
まずは、思い切り吐く息を意識をして、疲れやストレス
自分にとって不要な思いを手放す勢いで、息を吐き切ることが大切。
吐き出した後のスペースに、満月の豊かなエネルギーが
どんどん入ってきますように...*

九月・長月 生活暦

九月・長月

日ごとに涼しくなる頃
五感を研ぎ澄ませて 小さな秋を見つける…

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九月の上旬はまだまだ残暑が厳しいですが
中旬をすぎると朝晩は涼しくなり、しのぎやすくなってきます。
下旬になって台風や秋雨が通過すると、空気が冷たくなり
秋らしくなってきます。
空気も爽やかになり食べ物がおいしい実りの秋を迎えます。

立秋は八月ですが、肌に初秋を感じるのは九月。
秋の彼岸を過ぎればめっきり秋らしくなります。
八月下旬から九月にかけては台風シーズンで、台風接近前の
湿気をはらんだ暑さは耐えがたいものがありますが
台風一過の秋空は夏から秋への移り変わりを示してくれます。
空は高く、限りなく青く澄みわたり、清々しい。
爽涼の風が木々の間を渡りはじめます。
いわし雲に代表される秋の雲は、垂直に盛り上がる夏の積乱雲とはことなり
水平に広がるようになり、青い空を流れていく美しい雲は
見飽きることがありません。

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九月は、辺りの木々もすっかり色づき紅葉の頃。
空気も澄み切っていますから夕暮れが美しい時季。
しかしあっという間に辺りは暗くなる「秋の陽のつるべ落とし」

語源は諸説あり。
九月は菊の季節であることから菊月、菊間月とも呼ばれますが 
新暦の十月上旬から十一月の上旬にあたり
夜がだんだん長くなる「夜長月(よながつき)」の略とする説。
その他、雨が多く降る時季であるため
「長雨月(ながめつき)」から「長月」になったとする説。
「稲刈月(いなかりづき)」「稲熟月(いなあがりつき)」
「穂長月(ほながづき)」の約や、稲を刈り収める時期のため
長月の「長」は稲が毎年実ることを祝う意味からといった説。
「名残月(なこりのつき)」が転じたとする説などがある。
この中でも「夜長月」の略で「長月」になったとする説とする説は
中古より広く信じられている説で最も有力とされています。

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●別称
紅葉月(もみじつき)/稲刈月(いねかりつき)/菊月(きくづき)/
玄月(げんげつ)/色取月(いろとりづき)/寝覚月(ねざめづき) など。

旧暦の九月は、秋の最後の月にあたるので
「晩秋」 「窮月」(きゅうげつ) 「暮秋」(ぼしゅう) 「残秋」「末秋」などと呼ばれています。
最も一般的なのは「長月」で、秋も深くなると日がくれるのも早くなり
長時間にわたって美しい月が見られるので、この名が付いたと言われています。
他に、菊の花が咲き誇る月なので「菊月」 「菊開月」(きくさきづき)
また、紅葉の季節に入ってくるので「紅葉月」(もみじづき)とも呼ばれています。
菊や紅葉もさることながら、九月の空は澄みきって
特に月が美しく感じられる月で満月の十五夜には古くから
「お月見」をする風習が行われていたことから「祝月」(いわいづき)
 「詠月」(ながめづき) 「寝覚月」(ねざめづき)などの名称もあります。

■季節の言葉 
新秋、新涼、初秋、秋の長雨、秋霖、名月、良夜、露の秋、白露
虫の音、野分、寝覚月、中秋名月、台風、秋晴れ 

初秋の候 涼秋の候 新秋の候 秋色の候 爽秋の候 
秋の夜 涼風の候 秋分の候 秋涼の候 秋冷の候 秋霜の候
新秋のみぎり 秋の七草も咲きそろい など  

燈火親しむ好季となり 
灯火の下、読書に親しむ秋 
黄金色の波ゆらぎ、実りの秋
ひと雨ごとに秋も深まり 
残暑去り難く 
朝夕日毎に涼しくなり 
虫の音もようやく繁くなり
二百十日も無事に過ぎ 
初雁の姿に秋を感じる頃 
秋色しだいに濃く 

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九月は、重陽(ちょうよう)の節供、お月見の行事
彼岸の中日となる秋分の日などがあります。

九月を旧暦で長月(ながつき)といい、現在の暦でも使われています。
長月は、夜をだんだん長く感じる月の「夜長月」が略されて
長月になったとする説が有力です。
1年の間でもっとも夜が長いのは冬至の前後ですが、夏は夜が短いので
旧暦の9月に入ると急に夜を長く感じるのでしょう。
他に「色取月(いろどりづき)」、「竹酔月(ちくすいづき)」、「菊月(きくづき)」
「小田刈月(おだかりつき)」、寝覚月(ねざめづき)、「紅葉月(もみじづき)」など
秋の趣きを現わす別名もあります。

また、古来我われの先祖にとって稲の生育と収穫は最大の関心事でしたが
稲穂の長く満ち成る「穂長月(ほながづき)」あるいは稲を刈る
「稲刈月(いながりづき)」が、なが月になったとする説もあります。

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【防災の日/9月1日】
1923年(大正12年)のこの日に起きた関東大震災の教訓を
忘れないという意味とこの時期に多い台風への心構えの意味もこめて
1960年(昭和35年)に制定されました。
この日に地震や災害に備えて、避難訓練が多くの場所で行われます。
また非常時に備えて防災用品などのチェックもこの時期にしておきたいもの。
(この頃は暦の上では立春から数えて210日、
特に「二百十日」(9月1日頃)と呼びます。丁度稲の開花時期にあたり
強風が吹き荒れることに注意を促したものといえます)
制定の前年には伊勢湾台風が襲来していました。

【白露と秋分】
お盆を過ぎた頃から目に見えて日が短くなってきましたね。
昼間の残暑は厳しいけれど,それでも夕暮れ時の赤い雲や
風の音などに注意してみると,どこか秋の気配が漂っています。

9月になると、二十四節気でも白露と立秋を迎え如何にも涼しげです。
二十四節気は、太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分で
太陽の黄経が0度になった時を“春分”と呼び
そこから太陽が15度進むごとに、清明・穀雨・立夏・小満…と呼ばれます。

毎年9月8日~9日頃に迎える白露(はくろ)は
“大気が冷えて露ができはじめる頃”という意味で
天文学的には太陽の黄経が165度になったとき。

また9月23日頃に迎える秋分は,昼と夜の長さが等しく分けられた日。
この日、太陽は真東から昇り真西に沈みます。
また黄経が180度となって,太陽は天の赤道を北から南へ通過し
以降、北半球では夜が長くなっていきます。

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◆ 重陽の節句(ちようようのせっく)
旧暦9月9日の節句。五節句の一つで、菊の節句、重九(ちょうく)、
お九日(おくんち)とも呼ばれる。陽数(奇数)が重なるめでたい日。
古来中国ではこの日に小高い山に登り、長生きの効能があるとされる
菊の花を浸した菊酒を飲んで不老長寿を願う風習があった。
これが奈良時代に伝わり、平安時代には宮廷行事として定着。
江戸時代以降、秋の収穫祭と結びつき「お九日」として庶民にも広まった。
九州北部の秋祭りとして知られる「長崎くんち」「唐津くんち」などは
「お九日」に由来するとされる。

◆ 秋分(しゅうぶん)
二十四節気の一つで、旧暦9月23日頃。
春分と同じくこの日に昼夜の時間が等しくなり、この日を中日として
前後3日の計7日間が秋の彼岸にあたる。
先祖の墓参りをし、邪気を祓うとされる小豆を使った「おはぎ」をそなえてたべる。
秋分の日は、1948年に「先祖を尊び、亡くなった人をしのぶ日」として
法律で制定されました。この時期を境にして夏の暑さも終わりを告げ
秋が深まり始めます。

地球の赤道を延長した天の赤道と太陽の通り道の黄道が
ちょうど交差したところが黄径0度。
秋分とは、太陽が黄径180度(秋分点)を通過するときのこと。
春分と同じく、太陽が真東から昇って真西に沈み
昼と夜の長さがほぼ同じになります。
太陽が極楽浄土があるという真西に沈むことから
亡くなった人をしのぶ日とされています。

春分・秋分の3日前から7日間をそれぞれ春の彼岸、秋の彼岸とします。
※春分・秋分は「彼岸の中日」といいます。彼岸は日本独自の行事です。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、この日を境に寒さが増してきます。

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■ 秋の彼岸とおはぎ
9月23日の秋分の日をはさむ3日間を「秋の彼岸」といい
春の彼岸の場合と同様に墓参りをします。
春の彼岸に供えた「ぼた餅」を、秋の彼岸に「おはぎ」と呼ぶのは、
小豆のあんを春はボタンの花、秋は萩(ハギ)の花に見立てるからだそうです。
ちなみに、秋にとれたばかりの小豆は皮も柔らかいので、
おはぎには皮ごと使った粒あんを使い、皮が固くなった春には
皮を取り除いたこしあんを使ってぼた餅を作るそうです。

◆ 秋の社日(あきのしゃにち)
雑節の一つで、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日。
春の社日と同じく土地の守護神を祀る日で、秋の社日には
神様に初穂を供えて収穫を感謝する。

◆ 敬老の日(けいろうのひ)
9月の第三月曜日は「敬老の日」です。
この前身になっているのは、1947年(昭和22年)
兵庫県多可郡野間谷村の村長が提唱した「としよりの日」。
昭和26年から全国的に祝われるようになった「年寄りの日」。
これが昭和41年に「敬老の日」と改称され
国民の祝日のひとつとなりました。
2002年までは9月15日でしたが、2003年から
成人の日・体育の日と同様、移動祝日となりました。
敬老の日には、お年寄りのいる家庭では、お年寄りを中心に
祝い膳を囲んだり贈り物をさしあげるなどするのが一般的な祝い方です。
また、敬老の日に忘れてはならないのは、老人と同居して
その面倒を見てくれている兄弟・姉妹、その配偶者への感謝です。
老人への贈り物をするとき
一緒にねぎらいの気持ちを表現してあげたいものです。

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●二百十日(にひゃくとおか) 
9月1日頃。立春から数えて210日目。 

この時季は稲が開花・結実する大事なときですが
台風が相次いで襲来し、農作物が被害を受けてしまうことがよくあり
厄日とか荒れ日などといわれています。
一つの目安として警戒を呼びかけていたようです。
立春から数えて220日目の二百二十日も厄日と考えられています。

二百十日は伊勢の船乗りたちが長年の経験によって凶日としたといわれていて
雑節として暦に記載されたのは江戸時代で、八十八夜とほぼ同じ頃です。
先人たちの経験に基づいた生活の知恵が暦となっているのです。

◆ そぞろ寒(そぞろさむ)  
「冷やか」よりも強く、また、晩秋になって覚える寒さを表す
「やや寒」(秋の季語)よりも柔らかに感じる秋の寒さ。秋の季語。
本格的な冬の寒さ寂しさを迎える前の、覚悟の決め際の寒さか。 
   
◆ 冬隣(ふゆどなり)  
秋も終りになると、日差しも薄く弱くなって冬の到来が近いことを感じる。
季節は日々少しずつ巡るが、ある日ついに
冬の隣にやってきたかと思うようなとき。
同じ頃の秋の季語に「冬近し」「冬を待つ」などがある。

◆ 虫聞き(むしきき)
秋になく虫の音色を愛でること。江戸時代には「庶民の五つの風流」として
花見、月見、菊見、雪見、と並んで楽しまれた。
当時は谷中(東京)の道灌山(どうかんやま)や上野の不忍池などが虫聞きの名所で
多くの人々がゴザと酒を携え訪れたという。
鈴虫や松虫、邯鄲(かんたん)は特に人気で
虫籠に入れて江戸の町を売り歩く虫売りも現れた。
先人にならって秋の夜長には虫の音色に耳を済ませるのもいいですね。
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◆ 涼風(すずかぜ)
夏も終りの頃に吹く涼やかな風のこと。「りょうふう」ともいう。
夏の気圧配置(南高北低)が崩れ、吹いてくる。
実際はまだ残暑厳しい日が続くが、熱風の中にちょっとした涼しさを感じた先人たちが
季節を先んじる気持ちを込めて呼んだ風の名前。

◆ 秋のお菓子
秋のお彼岸のおはぎにお月見の団子、皿に秋が深まると栗のお菓子に
リンゴや柿、サツマイモを素材にしたお菓子・・・。
秋はお菓子がつきものの行事が目白押しで、しかもお菓子そのものが旬の季節。

行事もお菓子もしっかり味わって、実りの秋を全身で感じたいものです。
ところで、旧暦9月9日の重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ
平安時代の宮中では菊を愛で、菊の花を浮かべたお酒が飲まれていました。
和菓子の世界ではいまでも不老長寿の象徴である菊にちなんだお菓子は大切にされ
慶弔用のお菓子をはじめ、菊慈童(きくじどう)や菊最中などが作られています。

和菓子屋さんのショウケースに菊のお菓子が並び始めたら
その昔、宮中で優雅な秋の行事が営まれていたことを思い出してみてください。

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◆ 秋の時候のあいさつ
初秋の候、清涼の候、秋涼のみぎり、秋の気配が感じられる頃、
野山も秋色をおび、虫の声も美しく、スポーツの秋を向かえ、など。
手紙を書く際には時候のあいさつを使うときは
頭語である「拝啓」「謹啓」などに続けます。
はがきの場合は頭語を省略してもかまいません。
時候の挨拶は、目的や相手との関係によって、丁寧な表現や
親しみやすい表現などを使い分けるのが肝要です。
時候のあいさつの後に、先方の安否を気遣う文句を続けます。
たとえば、ますますお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。
皆様いかがお過ごしでしょうか、などです。
時候のあいさつと安否を気遣う言葉が、一般に手紙やはがきの「前文」となります。

◆ 季語
9月の季語
初秋/新秋/新涼/清涼/孟秋 ・初秋の候・新秋のみぎり・秋の七草も咲きそろい…など

◆ 誕生石
9月の誕生石:サファイア

◆ 月の花
9月の花:りんどう(竜胆)
花言葉
「あなたの悲しみに寄りそう」「誠実」「正義」
「悲しんでいるときのあなたが好き」「貞節」「淋しい愛情」

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中秋の名月

2023年の中秋の名月は、9月29日です。
「 中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。

今でも十五夜の月として親しまれ、ススキや団子をお供えして
月を愛でる習慣が残っています。この頃に収穫される里芋をお供えすることから
地方によっては「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。 

2023年の「中秋の名月」はちょうど満月ですが
中秋の名月はいつも満月になるとは限りません。
その理由は「満月の月齢」と「旧暦十五日の月齢」をそれぞれ考えると分かります。 

【満月の月齢】
新月から次の新月までの周期は、約29.5日です。
月が地球の周りを回る軌道が円軌道ではなくわずかに楕円軌道のため
新月から満月までの日数は13.9-15.6日の幅があります。 

【旧暦十五日の月齢】
旧暦では、新月(月齢0.0)となる瞬間を含む日を一日(ついたち)としていました。
一日の初めに新月を迎えるか、それとも一日の終わりに新月を迎えるかによって
旧暦十五日の月齢は13.0-15.0の幅を持ちます。 

以上の2つから、旧暦十五日が満月となるのは「満月になりうる月齢の範囲」と
「旧暦十五日の月齢の範囲」とが重なる場合であり、それ以外は満月にはなりません。
旧暦八月十五日の「中秋の名月」も同様の理由により、必ずしも満月とはならないのです。

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中秋の名月を見たら「後の月」も見よう!
「2023/10/27 後の月」

旧暦の9月13日の夜(十三夜)に見える月を「後(のち)の月」と呼び
2023年は10月27日がその日にあたります。

旧暦8月15日の「中秋の名月(十五夜の月)」を眺める風習は
中国から伝わったものですが十三夜の月を愛でる風習は日本で生まれたものです。
これは、延喜十九年(919年)に寛平法皇が月見の宴を開き
十三夜の月を称賛したことが由来のひとつとされています。

里芋をお供えすることから「芋名月」と呼ばれる中秋の名月に対し
後の月ではこの頃に収穫される栗や枝豆をお供えすることから
「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。

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