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一年の最初の月のこと。旧暦、一月の異称を睦月。

旧暦の時代には一月と書くことは稀で、正月あるいは「むつき」といい
これには、睦月(むつき)の字をあてていました。
睦月の由来については諸説ありますが
なかでは親しい人と睦みあうことからきたという説が通っています。
(元つ月(もとつづき)が略されてムツキとなったという説や
草木の萌きざす「萌月(もゆづき)」が約されたものだとする説もあります。)
「一月」といえばさほどでもないものが「お正月」というだけで
新しい 年が来たのだと思うし、親しみもあり、
新年のめでたさのあふれた気分となり、気持ちもあらたまります。

一月のことを「正月」と言いますが「正」には「改める」「改まる」の意味があります。
すなわち、年が改まった 最初の月と言う意味で「正月」と名付けられました。
しかし、一月十五日(小正月)を過ぎてしまうと「正月」という言葉も
すわりが悪くなるので、十六日以降は別の名称を使うようになりました。
おめでたい月なので 「嘉月」(かげつ)「正陽月」(しょうようがつ)
「初陽」(しょよう)「年初月」(ねんしょげつ)等と呼ばれています。
また、新しい年を一家の人々が仲良く、睦まじく迎える月
と言う意味で「睦月」というのが最も一般的な名称とされています。

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◆初空(はつぞら) 新年
元日の朝の空。新年の初々しい心で見あげる空は、清らかにして荘厳。
元日の晴れ渡った空は瑞兆として、雨や雪も豊穣の瑞兆として
それぞれに喜ばれた。

●初空月【はつそらづき】
陰暦一月の異名。年が改まって、初空が見える月。

人は、未来に思いを馳(は)せるとき、遠く彼方(かなた)に目をやるもの。  
これから始まる一年を思いやり、自然と空を仰ぐ人が増えることと思います。   
1月が『初空月』と呼ばれるようになったのは
そんな理由もあってのことかもしれません。

●初明り
初夜明とも。
元日の明け方、山陰や森の陰などから差しそめる曙光を言います。 
元日の朝、東天がほのぼのと明るくなること。また、さしてくる明け方の光。
[季]新年。

元日の日の出前に見られるほのかな光のこと。
その光はだんだんと空を朝の色にします。
初日の出は、太陽が顔を出したときにクライマックスとなりますが
初明りは、その前のほのかな明かりさえ味わうという美しい季語。

■睦月
親族が互いに往来し、仲睦まじく宴をする月であるからといわれています。
また、稲の実を初めて水に浸す月を指す「実月(むつき)」から
転じたという説もあります。

季節:晩冬(ばんとう) ※小寒から立春の前日まで。

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■1月の他の別名

祝月(いわいづき)
始和(しわ)
正月(しょうがつ)
早緑月(さみどりづき)
年端月(としはづき)
太郎月(たろうづき)
王春(おうしゅん)
建寅月(けんいんげつ)
初春月(はつはるづき)

■1月の暮らし
初詣 年始回り 書初め 新年会
年賀状の整理
正月のお飾りの片づけ
初生け 初釜
寒中見舞い(立春の前日まで。それ以降は余寒見舞い) 

 初日の出 若水 鏡餅 おせち料理 雑煮
 お年玉 かるた 餅花 七草がゆ 寒の水
 寒九の水

■1月の自然
冬将軍 短日 雨雪 雨氷
御降り 富正月 富下り 寒九の雨
寒の雨 北しぶき 山茶花ちらし
凍雨 氷雨 霜 霜柱 霧氷 樹氷
冬枯れ 冬日 真冬日 寒波 豪雪 雪間 

■時候の挨拶
新春の候  初春の候  寒冷の候  酷寒の候  厳寒の候  大寒の節
降雪の候  新春とは申しながら  まだ耐えがたい寒さでございますが
寒気厳しき折でございますが  極寒の候ではございますが
寒気ことのほか厳しく  寒さひとしお身にしみて、いよいよ寒気がつのり
厳しくもまた清々しい寒さですが

【結び】
本年もよろしくご厚情の程お願い申し上げます
寒さ厳しい折、くれぐれもご自愛ください

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日本人にとって元旦には特別な意味があります。
それは去年が今年になったというだけでなく
すべてが新たに一から始まるという日で、この世にあるものは
みな新しい生命を持ち、生まれ変わると信じられてきたからです。
私たちも毎年正月を祝うことで自分を新しい人間に生まれ変わらせていきます。

元旦の「元」はもと、つまり源ということです。
一年が円還し、原点回帰して新しく復活する日なのです。
お正月行事は、新しく降臨された歳神様をお迎えし
一年の無事に感謝して、今年一年の豊作と家族の幸せを願うための
連日接待の儀であると同時に、農耕社会での生産共同体である
家族や地域との結束を図り、神様をもてなす儀式を通じて
人を見つめなおし、生き方を再確認して、次代に伝承していく
重要な意味をもっています。

寒い冬のさなかに訪れる新年を、初春(はつはる)・新春・迎春などと
「春」をつけて呼ぶのはなぜでしょうか。
それは、明治5年まで用いられていた旧暦においては
立春の前後を年始としていたため、その習慣が残っているからです。

旧暦においては、雨水(うすい:立春の約15日後。
現在の2月19日頃)の直前の朔(さく:新月)の日を元日と定めていました。
よって、昔の元日は、立春の約15日前から
約15日後の間のいずれかの日に訪れました。
旧暦では、新しい年と新しい春が、まさに同時期に訪れていたのです。

新年を寿ぐ(ことほぐ)意味で用いられる「春」の語は
他の様々な語と結びついて、和歌や俳句で用いられてきました。
明の春(あけのはる)、今朝の春、花の春、千代の春、四方の春
老の春(おいのはる)あたりが代表的ですが
国の春、江戸の春、家の春、宿の春など、様々な用い方が出来ます。

なお、「初春」を「はつはる」ではなく、「しょしゅん」と発音する場合は
新年の季語ではなく、立春からの約1か月間を指す春の季語となります。

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◆和風月名 
  
・霞初月(かすみそめつき)
・暮新月(くれしづき)
・太郎月(たろうづき)
・年端月(としはづき)
・子日月(ねのひづき)
・初春月(はつはるづき)
・初空月(はつぞらづき)
・早緑月(さみどりづき)
・諏月(すうげつ)
・正月(しょうがつ)
・端月(たんげつ)
・嘉月(かげつ)
・華歳(かさい)
・発歳(はつさい)
・甫歳(ほさい)
・始和(しわ)
・本の月(ほんのつき)
・萌月(もゆつき)
・王月(おうげつ)
・元月(げんげつ)
・むつび月(むつびづき)
・建寅月(けんいんげつ)
・初月(しょげつ)
・眤月(むつき)
・陬月(むつき)
・泰月(たいげつ)
・三微月(さんびづき)
・初春(しょしゅん)
・新春(しんしゅん)
・孟春(もうしゅん)
・子春(ししゅん)
・上春(じょうしゅん)
・王春(おうしゅん)
・開春(かいしゅん)
・献春(けんしゅん)
・首歳(しゅさい)
・初歳(しょさい)
・肇歳(ちょうさい)
・開歳(かいさい)
・方歳(ほうさい)
・芳歳(ほうさい)
・献歳(けんさい)
・主月歳(しゅげつさい)
・年初(ねんしょ)
・歳首(さいしゅ)
・歳始(さいし)
・甫年(ほねん)
・青陽(せいよう)
・孟陽(もうよう)
・正陽(せいよう)
・初陽(しょよう)
・孟陬(もうすう)
・履端(りたん)
・大簇(たいそう)
・解凍(かいとう)
・月正(げっせい)
・実月(むつき)
・孟月(むつき)
・初見月(はみづき)
・祝月(いわいづき)
・歳首月(さいしゅづき)
・陬月(すうげつ)
・元つ月(もとつつき)
・生月(うむつき)
・萌月(もえつき)
・最月(もつき)
・本月(もとつき)
・陸まし月(むつましづき)
・睦びの月(むつびのつき)

睦月

◆七十二候。
一年を五日ごとに分けることで、自然界の微妙な変化を感じ取れる暦。
それぞれの季節にふさわしい名を付けて時候の移り変りを表しています。

芹生ず(せりしょうず):1月6日~10日頃
芹(せり)/一ヵ所にせり(競)合って生えることから「せり」。 
中国では二千年前から食用に、日本でも古事記に登場、万葉集には
春の野遊びとして芹が詠まれています。

水泉動く(すいせんうごく):1月10日~14日頃
水泉とは地中から湧き出る水のこと。
凍りついた地中の泉が、かすかに暖かさを含む時季。
しかし地上はまだまだ厳寒の季節です。

雉子始めて鳴く(きじはじめてなく):1月15日~19日頃
雉子(きじ)/1947年、日本鳥学会において国鳥に選定。
日本では昔からただ単に「とり」という場合「雉」を指していたそうです。
低木林や草原に棲み、雄はけんけんと勇ましい声、
雌はちょんちょんと優しい声で鳴くとか。

蕗の花咲く(ふきのはなさく):1月20日~24日頃
蕗の薹(ふきのとう)/蕗の薹は蕗の花茎。
素揚げ、花が開いたように美しく揚げて春の味を。
花が咲く前、地面から出てきた直後くらいの柔らかいうちがベスト。
愛らしくて美味しいこの時季の山菜の代表です。

水沢腹く堅し(さわみずあつくかたし):1月25日~29日頃
沢に厚く硬い氷が張りつめるという意味です。
流れ動く沢の水をも凍りつくほど、一年でも最も寒い時季が続きます。

●正月
一年の一番初めの月、つまりいちがつのこと 。
お正月と「お」をつけて呼ぶのはこの月だけ。
松飾を立て、鏡餅を飾り、雑煮を食べて一年の無病息災を願う。

●睦月(むつき) 
睦月とは、睦む(仲良く親しみあう)月という意味。
新しい年を、上も下も老いも若きも集い合って仲良く迎える月。
嘉月、初陽、初春月などのおめでたい異称もある。

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新しい年が健やかな一年でありますように...*


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