月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

四月・卯月の暦

◆卯月(うづき)
旧暦では「卯の花(ウツギ)」が咲く頃。
卯月の「う」は「初(うい)」「産(うぶ)」で
農耕の1年の初めの月を意味したともいわれます。
800540-1920
卯木(うつぎ)の花が、随所に咲き乱れるので「卯月」
または「卯の花月」とよばれています。
卯木の花は、古くから日本人に親しまれてきた花で
満月が卯の花を照らす光景を愛でて「卯の花月夜」と表現しました。 
気候的には暖かくなり,太陽の光に恵まれるようになった月という意味で
「正陽」「純陽」「六陽」などとも言いました。
また、旧暦の四月は夏にあたるので
「初夏」「新夏」「孟夏」などとも言われていましたが
現実感がないのでほとんど使われていません。
桜の散ったあとの余りの月ということから「余月」
桜の花のない月ということから「陰月」とも言われていました。

卯の花は晩春に白い花を咲かせますが
稲の苗や農作物の種を植えるので
植え月が“うづき”になったという説があります。
卯月は今の五月ごろで、他に乾月(けんげつ)、花残月(はなのこりづき)
夏初月(なつはづき)の別称もあります。
花残月とは、山あいにまだ桜の花が咲き残る月のことです。
69765879
四月は春たけなわ、国中の花々の大部分が一斉に咲き乱れ、自然が華やぐとき。
陽光の明るさが増し、人のこころも活動的になります。
年度始めの月で、入学や入社や転勤など、新しい門出となる月です。
四月の陰暦月名は卯月。陰暦十二ヵ月で花の名がついた唯一の月です。
卯の花が咲く月という意味で、卯花月(うのはなづき)とも言います。

4月は卯月、卯花月、花残月、清和月、鳥月とも呼ばれます。
卯月や卯花月は卯の花が咲く頃からということでしょう。
平安時代、女性の衣の襲(かさね)にも卯の花があります。
表を白、裏が萌葱でこの色目は4月に装っていたとか。
花残月は桜が咲き残るというイメージでしょうか。
清和月というのは空が晴て清らかに暖かいことを
清和ということからの呼び名です。
晴れて清らかだけなら秋になりそうですが
暖かいが加わるとやはり春4月なのでしょう。
maxresdefault
◆四月の異称

卯月(うづき)utuki
余月(よげつ)
陰月(いんげつ)
卯花月(うのはなづき)
花残月(はなのこりづき)
夏初月(なつそめづき)
木葉採月(このはとりづき)
得鳥羽月(とくちょううづき)
初夏(しょか)
首夏(しゅか)
孟夏(もうか)
始夏(しか)
維夏(いか)
立夏(りっか)
麦秋(ばくしゅう)
正陽(しょうよう)
六陽(りくよう)
と、夏・陽の付くものが多くあります。

六気(ろっき)
仲呂(ちゅうろ)
純乾(じゅんかん)
乾梅(かんばい)
修景(しゅうけい)
小満(しょうまん)
と、ひどく難しいものまで合わせると、四十種近くあります。

卯月とは卯の花(空木)月の意味で、垣根に卯の花が咲く月ということ。 
夏の字の付く名が多いのは、旧暦思想では三月までが春、
四・五・六月は夏となっていたから。 

麦秋というのは、今では五月に対しても使いますが、
麦が黄色に熟する収穫月の意味です。 

暦の上では夏と呼んでも、実際はまだ春です。
その一日をエイプリルフールと言って、ユーモアの日とするのも、
いよいよ春らしくなった喜びの記念でしょう。
gatag-00000243

●定番のあいさつ

桜花の候 春爛漫の季節を迎えました。

春のけはいがようやくととのったようで・・・・・・

拝啓 麗春の候、お元気でお過ごしのことと存じます。

春の日差しが心地よい毎日でございますが、いかがお過ごしですか。

花便りが各地から届くこのごろですが・・・・・

春たけなわの季節となりました。いかがお過ごしですか。

春の日差しが心地よい毎日でございますが・・・

春陽のみぎり、ますますお元気でご活躍のことと存じます。

拝啓 春爛漫の候 お変わりはありませんか。

gatag-00000318

■気候や開花にまつわることば

【花冷え】
桜が咲きほこる時期に、暖かくなった気候が
一時的に冷え込むことを表します。

【花曇り】
桜が咲く時期の曇り空のこと。
渡り鳥が移動する時期なので、鳥曇りとも呼びます。

【桜流し】
春の雨で桜の花びらが落ち、流されていく様を言います。
また、桜を散らしてしまう雨のことも表します。

【桜前線】
日本各地の桜(主に染井吉野)の開花予想日の
同じ日付の場所をつないだ地図上の線。
マスコミの造語で、気象庁による正式名称は
「桜の開花の等期日線」といいます。
3月上旬に九州や西日本からスタートし、次第に北上して
5月上旬に北海道に至ります。

【花時】
花が咲く頃や盛りになる頃のこと。
特に桜が満開になる時期を指すことが多いことばです。

■桜の花の様子をあらわすことば

【こぼれ桜】
桜の花が満開で、まるで地面にこぼれ落ちたように見える様子のこと。
また、桜の花びらを散らした模様を指します。

【花吹雪】
満開の花、特に桜の花びらが風に吹かれて舞い散る様子が
まるで雪が吹雪いているように見えることから生まれたことばです。

【花明かり】
桜の花が満開で、闇の中でも辺りをほんのりと
明るく照らしているように感じられる様子を言います。

【花筏(はないかだ)】
水面に散った花びらが筏のように流れていく様子を言います。

【花の浮橋】
水面に散った花びらが橋のように集まっている様子。
gatag-00002420
◎清明(せいめい)4月5日~4月19日頃 

旧暦3月の節気。 春分から15日目。
春先の清らかで生き生きとした様子を表した
「清浄明潔」という語を略したもの。

清明とは万物が若返ってすがすがしく、明るく美しくなることです。 
日本列島はさまざまの花が咲き乱れ、特に桜前線が次第に北上して
お花見シーズンの当来で、人々の心が浮き立ってきます。
南の地方では、越冬つばめが渡って来る頃でもあります。
いよいよ冬と決別して、温暖な季節となるので
旧暦時代には4月1日を衣替え(ころもがえ)の日としていました。
この日から冬の着物の綿入れを脱いで袷(あわせ)に着替えるところから
四月一日と書いて「わたぬき」という姓があるほどです。
もっとも、太陽暦の4月1日に衣替えをすると
風邪を引くおそれがありますからご注意を!
清明の節の終りから、次の穀雨の頃になればちょうど良いでしょう。

古くから中国では、清明の日に人々は郊外に出て春の風物を楽しんだり
先祖の墓参りをしました。
沖縄では「清明祭(シーミー)」といって、墓前に親族が集まり
酒・茶・お重を供えた後、皆でご馳走をいただく習慣があるそうです。 
沖縄ではお墓の前は「清明祭」をするための広いスペースが設けてあります。
ここで、お重を囲んで宴が催されるのだそうです。
気候もいい頃ですし、今ではピクニック感覚で
どのお墓もとても賑やかだとか。 

穀雨

◎穀雨 (こくう)4月20日~5月5日頃 
旧暦3月の中気。

穀雨とは稲や麦などの穀物の生長を助ける雨のことで
その雨の降る頃が穀雨の時期です。

春雨が百穀を潤すことから名づけられたもので、雨で潤った田畑は
種まきの好期を迎えます。
山野は穀雨の恵みによって緑のカーペットに覆われます。
この頃の雨は穀物だけでなく、あらゆる植物の生長を助けます。
南の地方ではトンボが飛び始め
冬服やストーブとも完全に別れる季節です。
変わりやすい春の天気もこの頃から安定し日差しも強まってきます。

もともとは、秋に種をまいた麦類の生長を助ける雨のことで
麦は穂が出て実を着けるようになります。
のちに稲にも適用されるようになりました。
穀雨の節気の終り頃、八十八夜(5月2日)となります。
立春から数えて88日目のことです。
この頃、多くの地方で霜が降らなくなります。
「八十八夜の別れ霜」とはそのことを指します。

しかし、時としてこの頃に遅霜(おそじも)が降りて
農作物に被害を与えることがあります。
これを「八十八夜の毒霜」といいます。油断大敵です。
八十八夜の頃から茶摘みが始まり、香りの良い新茶が
私達の味覚を楽しませてくれます。

8580687194_ca8f7a3d7a_b

◎お花見
お花見は、日本人が古来から楽しみにしていた春の行事です。
「花見」といえば桜の花を見るために野山に出かけること。
桜以外の花を見に行くときは「梅見」「観梅」「観菊」などと
その花の名前をつけて表します。
昔から日本人にとって「桜」は特別な花でした。

奈良時代には、花といえば梅や萩などを指していましたが
平安時代の貴族たちは桜を春の花の代表格として愛で
歌を詠み、花見の宴を開いて楽しんでいました。 
以来、この時季に咲き誇る花は、桜以外にも桃や菜の花など色々ありますが
日本人にとっては「花」といえば桜の花を意味するようになりました。

また、お花見は豊作祈願の行事として、農民の間でも行なわれていました。
桜は、春になって山からおりてきた田の神様が宿る木とされていたため
桜の咲き方でその年の収穫を占ったり
桜の開花期に種もみをまく準備をしたりしていました。
「サクラ」の語源には諸説ありますが、一説によると
「サクラ」の「サ」は田の神様のことを表し
「クラ」は神様の座る場所という意味があり、「サクラ」は 
田の神様が山から里に降りてくるときに、いったん留まる
依代(よりしろ)を表すとされています。
また、桜の花が稲の花に見立てられ、その年の
収穫を占うこ とに使われたりしていたため、「サクラ」の代表として
桜の木が当てられるようになったという説もあります。
豊作を願って、桜のもとで田の神様を迎え、料理 や酒でもてなし
人も一緒にいただくことが本来のお花見の意味だったのです。

江戸時代になると、春の行楽としてお花見が庶民の間にも広がり
酒を酌み交わすお花見になっていきました。
江戸時代は、園芸が盛んになった時代でもあり
桜の品種改良が進んだことで、身近な場所で
お花見が楽しめるようになったのです。
三代将軍家光が上野や隅田河畔に桜を植え、八代将軍吉宗は
飛鳥山を桜の名所にし、花見の場も増えました。これらは今でも
東京のお花見の名所になっています。

145261_2

◎おぼろ月【朧月】
春の月は、ボンヤリと見えて輪郭がはっきりしていないことが多いですね。
これは、昼間の霞と同じ性質の空中に浮かぶ浮遊物のせいです。 
霧・モヤ・煙霧などによって視界がさえぎられて月がかすんで見えたり
その周りにボンヤリとしたまるい輪が見えたりします。 

春は移動性高気圧が通過したあとに温暖前線が近づいてきますが、
そのとき、まず絹雲・絹層雲・次いで高積雲・高層雲が現れます。
この層雲は霧状だから、地上から通して見れば
太陽や月がかさをかぶって見えたり、
おぼろに見えたりします。

また春は、夜間に冷え込んで地面付近の気温が下がっているところへ、
南からあたたかい風が吹いて、
上空のほうが比較的温度が高いという『気温の逆転層』を作ります。
この層の下に霧が出来やすいので
ほんのりと美しいおぼろ月が見えたりします。


gatag-00000206

◎春の土用(はるのどよう)  
立夏までの約18日間にあたる雑節の一つ。春の土用の入りは新暦4月17日頃。
土用とは「土旺用事」の略で、陰陽五行説による季節の割り振りで
四季に配当(冬:水、春:木、夏:火、秋:金)されなかった
「土」の支配する時期として
各季節の末18日ないし19日間を指すもの。
季節の変わり目にあたる。現在は夏土用のみを土用と言うことが多い。

◎春眠
「春眠暁を覚えず」と、中国・唐の孟浩然(もうこうねん)の詩にある通り
冬から春への変わり目はとかく眠気を感じます。
植物が芽吹く春は、人の体も新陳代謝が盛んになり、エネルギー代謝に必要な
ビタミンB群が不足して眠くなるようです。
春の眠気対策に、ビタミンB群が多い菜の花(「なばな」)をサッとゆでて
お浸しや炒め物にしてみましょう。
鮮やかな色と春の香りに、体もシャキッと目覚めるでしょう。

09955a

桜は古くから親しまれており、私たちの暮らしの中に深く根付いています。
春の気候や情景を表すことばにも
「桜」が使われているものがたくさんあります。
古くから「花見」といえば「桜」の花を見ることを意味したように
日本人にとって桜は特別な花。ただ「花」と表されていても
桜を指すことが多いです。

桜の蕾が赤みを帯びる頃は、私たちのからだが上を向きたいと思う頃。
その溢れんばかりの力強さを少しでも感じたくて
背筋が自ずと伸びるのは私だけでしょうか。
ほころび、そして花が開きはじめると、からだも開いていく。
花を愛でれば、少し前の愁いも次第に消え、活動的になっていく。
桜の便りが北上するとともに、日本に住む人の気分も
上昇しているとしたら、とても喜ばしいことです。

弥生三月

弥生
長い雪の日々からすこしずつ春の日差しが長くなり雪解けが一気に進む3月。
その喜びと、感謝の思い。春にむけての希望の時期。

草木がいよいよ生い茂る月という意味。
季節:仲春(ちゅうしゅん) ※啓蟄から清明の前日まで。

aflo_vxba000507

三月は春の息吹を実感する月で、弥生三月ともいいます。
陰暦での弥生は現在の四月ごろですが
この春たけなわの時期は、萌えいずる草木が
いよいよ生(お)い茂り盛んになることで
「弥(いや)おい」といい、それが「やよい」になったといわれます。

旧暦では、二月の梅に続いて三月には桃や桜が花開くので
花月(かげつ)、桃月(ももつき)、桜月 (さくらつき)、などといいます。
最もポピュラーなのは、弥生(やよい)です。
弥は「いよいよ」「ますます」の意味で
「たくさんのもの(植物)が生まれて花盛りになる月」として名付けられました。

347588-768x576

花粉が飛散する時期でもあります。
今年は近年稀に見るスギ花粉の“大量飛散年”と言われています。
二千万人ともなればもう公害、環境問題ですよね。早めの対策が必要です。
花粉症に負けない身体作り、食事にも気を遣いましょう。
春野菜も出回り、食卓も春の装い、サラダなど沢山食べて
身体の中から綺麗にいたしましょう。

また、3月は「去る」とも言われ卒業、転勤のシーズンです。
人々の環境も変化の多い月です。後半には桜の開花予想も聞かれます。

b5337a6f

この月の別の呼び名には、花見月(はなみつき)、染色(しめいろ)月、
桜月、季春(きしゅん)、桃月(とうげつ)、雛(ひいな)月、夢見(ゆめみ)月など
たくさんあります。

弥生(やよい・いやよい)季春(きしゅん)晩春(ばんしゅん)暮春(ぼしゅん)
花見月(はなみづき)竹の秋(たけのあき)杪春(びょうしゅん)
雛月(ひなつき)春惜月(はるおしみづき)祓月(はらえづき)
花つ月(はなつづき)桃月(ももつき)殿春(でんしゅん)
早花咲月(さはなさづき)姑洗(こせん)夢見月(ゆめみづき)
佳月・嘉月(かげつ)桜月(さくらづき)など

●三春(さんしゅん)

初春
春先、春べの頃、
つまり立春(2/4ごろ)から啓蟄の前日(3/5ごろ)までをいい、
孟春ともいいます。

仲春
春さなかの頃、
啓蟄(3/6ごろ)から清明の前日(4/4ごろ)までをいい、
仲陽ともいいます。

晩春
末の春の頃、
清明(4/5ごろ)から立夏の前日(5/4ごろ)までをいい、
季春ともいいます。

■初春 (立春から啓蟄の前日まで)
<時候>
魚氷(うおひ)に上る 雨水 おれづみ 獺(かわうそ)魚を祭る 寒明 
旧正月 冴返る 春寒 初春 早春 遅春 二月 二月尽 
春浅し 春まけて 春めく 余寒 立春 

■仲春(啓蟄から清明の前日まで
<時候>
如月 啓蟄 三月 春社 春分 鷹化して鳩と為る 仲春 
初朔日(はつついたち) 彼岸 龍天に登る 

■晩春 (清明から立夏の前日まで)
<時候>
蛙の目借り時 暮の春 穀雨 三月尽 四月 清明 
田鼠化(でんそか)して鶉と為る 夏近し 苗代時 八十八夜 
花冷え 春暑し 春惜しむ 春深し 晩春 弥生 花時 行く春 

d7087ba06c9a98ce2c05fe2265755cbf_s

三月といえば、ぼんぼりに明かりを灯すひな祭り、桃の節句です。
節句は節供(せっく)ともいい、ルーツは中国で、節は季節の変わり目のこと。
一年の季節の変わり目に五つの節日(せちにち)を設け、その節目節目を
無事に過ごせるよう邪気を祓い無病息災を願う行事が「五節供」となりました。
五節供とは、一月・人日(じんじつ)、三月・上巳(じょうし)、
五月・端午、七月・七夕、九月・重陽(ちょうよう)の節供をいいます。

節供は季節の節目に供え物をするという意味もありますが
その時季の植物から生気をもらい、邪気を祓って
長寿健康を願う行事でもありました。
一月のみは一日が年の始めになるので七日に設定され七草の節供、
三月・桃、五月・菖蒲、七月・笹、九月・菊と、
当時薬用となる植物が選ばれました。

お雛様

三月三日は、内裏雛(だいりびな)を飾って祝います。
昔の人々はこれを紙で作り、その紙雛に、人々の過去一年にたまった
汚れを背負ってもらい、災厄を逃れるという習慣がありましたので
「雛のみそぎをする月」という意味で、禊月(みそぎつき)とも言いました。
三月になるとだんだん暖かくなり眠気を誘うので「夢見月」とも呼ばれています。

中国では古くから陰暦三月初めの上旬の巳(み)の日・上巳に水辺に出て
禊ぎを行ない、酒宴を催して災厄や不浄を祓うという習慣がありました。
三日が上巳の日にあたることが多いので、三世紀の中ごろには上巳
または元巳(げんし)という呼び方はそのままに
三月三日に日を定めて行なうようになりました。
三が重なるので重三(ちょうさん)の節句とも言います。

上巳の祓いは「巳の日の祓い」となり、陰陽寮の陰陽師がつくった
人形(ひとがた)に天皇が息を吹きかけ、さらに身体を撫で、
これを常用しているお召し物と一緒に河川に流すという儀式になります。
穢れを移して海川に流すこの人形に女官たちが色とりどりの衣を着せたようで
次第に宮中や公家の子女が着飾った人形であそぶ
「ひいな遊び」へと発展していきます。
このように罪穢れを託す祓えの人形は、雛流し、流し雛、雛送り、捨て雛など、
現在も各地に残る行事になる一方、ひいな遊びの人形は装飾されて
三月節供の祭り雛に発展していきます。

さらに室町時代になり中国から顔料の胡粉(ごふん)を塗って作る
人形技術が伝えられると人形はいっそう豪華になり
この頃から坐り雛がつくられ、庶民にもひな祭りが浸透していきます。
現在のようなひな段の形式が完成したのは江戸時代の元禄のころです。

aflo_pgxa003597 (1)

ひな人形には、生まれた女児にふりかかる災厄の身代わりとなり
健やかに育つのを見守ってもらうという両親の願いも込められ
男児の端午の節供とともに女児のひな祭は盛大な年中行事となりました。

ひな人形は今でもさまざまな材料でつくる願いを込めたつるし雛など
独自の変り雛が作られてきます。ひな祭りに欠かせない白酒は元禄時代に
甘酒から変わったもの。中国で邪気を祓い長寿の霊木とされる桃は
日本でも尊重され実も多く多産の象徴とされ、桃の神秘な力に
女児の成長を託すと信仰にもなりました。
また、宮中行事となった曲水の宴は中世に途絶してしまいますが
戦後の昭和三十年代以降、九州・太宰府天満宮、京都・上賀茂神社、
岩手県・毛越寺など各地の社寺が再興させ、雅(みやび)な風情を
いまに伝えています。

aflo_ppuc011915

三月に忘れられないのは春分の日の春のお彼岸です。
春分の日を中日にして前後三日間をお彼岸として先祖の霊を敬う仏事は
神道の思想を取り入れた日本独自のもので他の仏教国にはありません。
太陽が真西に沈むこの日に極楽浄土への道が開けるという信仰は
江戸時代に高まり、根強く伝承されてきたのです。

彼岸(3月17日~23日)
春分・秋分の日をはさむ前後7日間を彼岸と言い、春・夏の2回あります。
最後の日は彼岸明けといいます。彼岸の7日間は、お寺や各家庭で
彼岸会の法要が営まれます。仏教では現世を此岸
(しがん)というのに対し、死後の境地を彼岸と言います。
この彼岸の期間に亡き人を供養し、新しい水と花、線香を供え
墓参りをするのが一般的。各地方によっていろいろな習慣があります。

彼岸入り
「暑さ寒さも彼岸まで」といい、この頃からいよいよ春めいて暖かくなります。
春分、秋分の日を真中として前後の七日間が彼岸です。
彼岸は、正しくは「彼岸会」(ひがんえ)と称して、お彼岸団子や
ぼた餅をこしらえて仏様に供え、お寺や祖先のお墓参りを致します。
一説によりますと、大阪の四天王寺の西門に
聖徳太子直筆といわれる額があります。この西門は極楽の東に対しているといわれ
彼岸には日没の光がこの華表 (とりい)を照らします。
それでここに集まって落日を拝む風習ができました。
これが「彼岸会」の始まりと言われています。

aflo_rcba005281

春分の日
二十四節気の一つで、自然をたたえ、生き物を厳しむ日とされています。
戦前は、春季皇霊祭とよばれていました。
この日をはさんで七日間が、お彼岸と呼ばれ
春分の日は「彼岸の中日」にあたります。
太陽の中心が春分点の上に来たときを言い
昼夜の長さが等しく、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。
季節の変わり目として昔から親しまれ、関心をもたれている日でもあります。

七十二候によって早春の情景が目に見えてきます。
二十四節気は冬至を起点として、一年の太陽の通る道を24等分、
約15日ごとに分けたものです。
これをさらに約5日ずつの3つに分けたものが「七十二候」。
七十二候ではこの時期の最初が、「蟄(すごもり)の虫 戸を啓(ひら)く」。
次に来るのが「桃初めて咲く」。最後が「菜虫 蝶になる」と続き、
早春の情景が目に見えてくるようです。
このように七十二候は日本の四季の移り変わりが美しく表現されているのです。

【啓蟄(けいちつ/3月5日ころ)】
暦の上での二十四節気の一つで「雨水」の後15日目で3月5日頃にあたります。
「啓」は『ひらく』、「蟄」は『土中で冬ごもりしている虫』という意味で
土の中で冬ごもりをしていた虫が春の到来を感じ、這い出す頃です。
草木が芽吹く頃、虫が這い出し、北国では福寿草が咲き
東京ではモンシロチョウが飛び始めます。

【春分の日(3月20日~21日ごろ)】
太陽が赤道上の春分点に達し、昼と夜の長さがほとんど同じになります。
この日を過ぎると夏至までの期間は段々昼の時間が長くなっていく。
昭和23年に「国民の祝日」に制定されました。
旧暦2月の「中気」という節気で、お彼岸の中日でもあります。
太陽が真西に沈むこの日は仏教では特別な日とされ、この日に死者の冥福を祈り
供養すると、迷わず成仏できるといわれている。
おはぎ、草もち、五目ずし、稲荷ずしなどを供えて墓参りをする習慣があります。
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われるように
この日を過ぎるとめっきりと春めいてきます。

2021年の春分の日  3月20日(土・祝)

aflo_ppuc009123

桃の節供の「桃」は三月を代表する花です。
桃には、花を楽しむ花桃(はなもも)と、実を採るための実桃(みもも)があります。
桃は、日本では古くは『古事記』の中に、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が
3個の桃で追手を撃退した話があり、中国では、西王母伝説・桃源郷伝説にも
みられるように不老長寿の果実とされています。
早く花が咲き実が多く繁殖力が強く、字の作りの「兆(きざし)」は
多産の象徴で実の形が生命力を表現しているといわれます。
また花の赤色と特有の薬味が邪気を祓うとされ、古代中国では
死者の胸に桃の木を置いたり、門戸に立てたり、身につけたりしていました。
また、宮中の「追難の儀」において、桃の枝、桃の弓、葦の矢で
疫鬼を追い払うのに使用されました。物忌や祓えを行うにあたり
悪鬼をはらい豊作を祈る心が込められています。

三寒四温(さんかんしおん)
冬から春にかけて寒い日が三日、その後に暖かい日が四日続く
といったぐあいに、寒暖が繰り返される現象を三寒四温と呼びます。
中国に由来される言葉で、朝鮮半島や中国東北部、華北地方では
顕著に見受けられますが、日本ではそれほど
規則正しい周期はないと言われています。

菜種梅雨(なたねづゆ)
三月中旬から四月にかけて、菜の花が咲き始めるころ
雨になったり霧がかかったりして、ぐずついた天気になることがあります。
これを菜種梅雨、もしくは春霖(しゅんりん)と呼びます。
霖とは長雨のことをさしますが、このころの長雨は
夏前の梅雨ほどのうっとうしさは感じられません。

春霞(はるがすみ)
春の季節に立つ霞をいいます。
霧と霞は違っていて、気象的には視界が1キロ未満のものを霧
それよりも遠くを見渡せるけれど、景色がぼやけて見えるものを霞といいます。
霞はカスミと読みますが、モヤとも読みます。
カスミは気象観測上の用語ではありません。
煙や雲がたなびいたり、霧やもやなどのため
遠景がぼやけて見える状態をいいます。
遠景に棚引いている薄雲は霞ですが、その中に入ると
霧の状態ということもあります。しかし、霧が棚引くという言葉はなく
立ち昇るは雲ではいいますが、霞がたちのぼるとはいいません。

10130001a0772

時候の挨拶
早春の候  浅春の候  水温む候  向春の候  
春暖の候  一雨ごとに暖かく  
春とはまだ名ばかりの寒さですが  朝夕はまだ冷えますが
寒さもようやく衰えてまいりましたが  一雨ごとに暖かさがましてまいります
ようやく春めいてまいりました  花の便りが聞かれる頃

餞別(せんべつ)
春は転勤や引越しのシーズン。
遠くに行かれる方に「お餞別」として贈り物をされることも多いでしょう。
本来、餞別は遠くへ旅立つ人にはなむけの気持ちを込めて金品を贈ること。
昔は今と違い、旅は手軽で安全なものではありませんでした。
旅立つ人に贈る餞別は別れのしるしでもあったのです。
今はそういった意味合いは薄れているでしょうが
またお会いする機会がある方へ贈る場合は
「栄転祝」「昇進祝」「退職祝」「御礼」などとする方がいいでしょう。

e4c7468f

■季節の言葉

冴え返る(さえかえる)
春になって緩んだ寒さがぶり返すこと。
 
甘雨(かんう)
草木にやわらかくそそぐ春の雨。植物や農作物の成長を促すやさしい雨です。

「木の芽風」という美しい言葉がありますが
木の芽を温かくはぐくむかのように吹く春風をいいます。
少し温かな日には、少し遠出して散策するのも良い時節です。
山野を眺めると生気感じられ、緑かかったり、ほの赤いような感じがします。
木々が芽吹き生気あふれる山の様子です。
一方、気象庁の区分では、春は3月から始まります。 

春は草木の芽が「張る」「芽が膨らむ」からきていると言う説があるように
これからは、草木の芽が膨らんで
膨らんだあとで花になったり、葉になったり
まさに生き生きした季節がやってきます。 
つまり、弥生と春は同じような意味の言葉なのです。 

桜のつぼみもふくらみ始め、日ごと春らしさを感じる3月。
暖かい日差しを感じて心うきうきしてきます。
「春」の語源は草木の若芽が張ってくる季節。
日脚が延び、夜明けが早くなりました。
この季節になると、朝6時前には東の空はうっすらと
紫色から淡いピンクの、暖かく柔らかい春の光になってきます。

b5337a6f

■3月の花  
シクラメン 沈丁花(ジンチョウゲ)
椿(ツバキ) 雪柳(ユキヤナギ)
ヒヤシンス ラナンキュラス
パンジー タンポポ 土筆(ツクシ)
なずな 桃(モモ) 馬酔木(アシビ)
ストック 猫柳(ネコヤナギ)こぶし

■旬の食材
昔から「春は苦いものを食べよ」と言われています。
苦味のある山菜にはミネラルやポリフェノールなど
細胞を活性化させる成分が多く含まれています。
冬から春へ体も活動するための準備を始める
この時期にふさわしい食材なのです。

野菜
水菜(みずな) 独活(うど) たけのこ
菜の花 ほうれん草 キャベツ 春菊
三つ葉  牛蒡(ごぼう)
魚介
鮟鱇(あんこう) 蛤 鰆(さわら)
鰊(にしん) いいだこ 甘鯛(あまだい)
平目(ひらめ)
果物
いちご

『春は曙 ようよう白くなり行く山際 少しあかりて 
紫だちたる雲の細くたなびきたる』 清少納言・枕草子

昔から日本人は、光の色からも季節の移り変わりを敏感に感知し
暮らしの知恵を生み出し、俳句や和歌を詠んだのです。
* Welcome *

*Welcome To My Weblog*

  御訪問ありがとうございます。

  季節や暦に合わせた暮らし歳時記

  興味を持った事柄をPickupしつつ

  不定期に更新しています。


春の花びら
月の暦☾* Daily Moon *
Ж Moon Calender Ж



* 2021年4月の月暦 *
下弦 *  4日 19:03
新月 * 12日 11:31
上弦 * 20日 15:59
満月 * 27日 12:32

* 2021年5月の月暦 *
下弦 *  4日 04:50
新月 * 12日 04:00
上弦 * 20日 04:13
満月 * 26日 20:14

Today's Moon phase

Ranking
Click Please♪



くる天 人気ブログランキング










RSS
Powered by RSSリスティング
アーカイブ
記事検索
四季の花 * 歳時記

月別生活暦


HTML Color Name
140色がランダムに表示されます。




熨斗と水引

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

* Book recommended *
春宵、半夏生、驟雨
星月夜、虎落笛、風花・・・
美しい日本の言葉
いくつ知っていますか?
四季折々の言葉を写真で綴る
麗しい日本の歳時記


「星のこよみ」


「雨の名前」


「風の名前」


「空の名前」


「色の名前」


「暦の風景」


「美しい日本語の辞典」


「美しい日本の言葉」


「春夏秋冬 暦のことば」


「音のことのは」


「水のことのは」


「雨のことば辞典」


「自然のことのは」


「花とみどりのことのは」


「春・季節のことば」


「夏・季節のことば」


「秋・季節のことば」


「冬・季節のことば」


「月に恋」


QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ